ベッドの中で爆睡していた時、お寺の玄関のブザーが鳴った。

時計を見たら午前6時少し過ぎ。昨日のジムでの疲れもあって起きれなかった。

妻に出てくれるように頼んだ。暫く檀家さんには待ってもらい妻が対応した。

その後に続けて午前6時10分、別の檀家さんがいらしたそうだ。

その頃には私も起きて着替えた。早すぎでも、お盆初日だからという事でお寺に来られるのはある意味有難い。

 

       

 

お寺によっては、門のところに開閉門時間が掲示してある所もある。

午前8時(9時)開門 午後5時(6時)閉門 と書いてあり、急用の方は電話をして下さいと電話番号が書いてある。お墓参りの道は別になっているところもあったり、お墓参りもその時間内でなければできない寺院もある。

事前に電話なりでアポイントを取らないと訪問できない寺院もある。都心の寺院にその傾向が強いようだ。防犯の問題もあるのだろう。

地方に限らないが、いつでも門戸が開いていて、気軽に声をかけられる檀家と菩提寺の関係になっている寺院もある。

 

私の知っている寺院では、自死の相談をする住職がいて、そこは24時間いつでもどうぞと門戸を開いている。深夜は訪ねて来ないだろうが電話はかかってくるそうだ。

生きるの死ぬのという心境の時は、時間は関係ないだろう。深夜だから電話で応答してくれる人がいなければ、ひとり悶々と悩んで悪しき方向に行くかもしれない。受ける電話がないことで、助かる命が助からないかも知れない。そんな思いで、その方は24時間相談できる寺院にしている。実際、深夜にはそんなに毎日はかかってこないようだが。

 

昔はお盆の棚経で家々を訪ねると、夏場で暑く、クーラーの無い時代だったので障子も襖も取り外して、すだれがかかっていたくらいなので、留守でも勝手に入って仏壇や盆棚の前で拝んできた。お布施は仏壇や盆棚のところに置いてあった。

「棚経お布施」とか「お寺さん」と書いてあったし、お互い分かっているので、拝んだらそれを貰ってきた。留守の家でも入れたという話だ。

 

盆棚や仏壇の前で拝んでいると、後ろで団扇で扇いでくれたり扇風機を私の方に向けてくれた。敬意と親切で風を送ってくれるのだが、ローソクの火が消える不都合が起こる。今は部屋全体がエアコンで涼しくなっている家々を訪ねるのでその不都合はない。 

    

 

今の家は外廊下濡れ縁など無く、各部屋は壁で区切られている。玄関からでないと仏間に入れない。何時ころに伺うからとアポイントを取って伺う。「あと何分くらいで伺えます」とケータイで近くから電話して知らせるようにしている。

 

昔はお盆に檀家さんの家に棚経に行くのが当たり前だったが、今ははがきを同封した手紙でどうしましょうと訊くようにしている。

 

時代によっていろいろの変化がある。今の時代に合わせた対応があるのだろう。

変わったのは建物の構造だけではない。意識も変わった。プライバシーの尊重、個人情報の秘守、等々がある。

 

陽も上がっている6時くらいは、少し経つと暑くなるのでお盆でご先祖さまを迎える今日くらいは、元気よく迎えたいものだ。

 

       

私は墓参の方が少なくなった夕方に、妻と一緒に小川家の墓所と富田家(妻の実家)の墓所をお参りした。一対づつ、4束の花とお線香を捧げた。