試合開始前の選手控え室。月島花の控え室には花組の主要メンバーが集まり,花を激励していた。


「鈴蘭制覇の前にいい余興ができるな,花!」


迫田が笑いながらいう。


「オッス!花さんなら負けません!この大会でも鈴蘭でも花さんはナンバーワンッスよ!!」


一年の佐島が大声で言う。


「花・・・。この闘い,お前が背負ってるのは俺たちの想いだけじゃねぇ。俺たちの街の不良の全員の誇りを

背負ってるんだ。生半可な覚悟じゃ話にならねーぜ。」


武藤が一人,重く言うと花は笑顔で答える。


「生半可な覚悟だったら今までお前らがおれについてきてくれることもなかっただろうし,天地にも光政にも

勝てなかったと思うよ。俺は今まで一回も生半可な覚悟で戦ったことなんて無いぜ!」


その言葉に一同胸を打たれる。


武藤がフッと笑った。


「余計なことだったな。一発でかいのかましてこい!」


武藤が言った。


「おう!!まかしとけ!!」


花は親指を立て答えると控え室を出た。


闘技場まで歩いていく。その入り口付近に2人の男が待っていた。2人とも花のよく知る男である。


鳳仙学園トップの月本光政と武装戦線7代目頭村田将悟である。


「この暇人どもめ。」


花が笑いながら話しかけると光政と将悟も笑う。


「行ってこい,花!」


光政が言う。


「お前は俺たちの代表なんだ。期待してるぜ,花。」


将悟も言う。


「おう!」


花が拳を前に出す。それに合わせて光政と将悟も拳を花の拳に合わせる。


言葉には出さないが光政も将悟も,花に自分たちの誇りを託したのだ。そして花もそれを受け取る。


そして力強く,花は闘技場に踏み出していった。