今日の読書
感想+粗筋
ほんと、帯に書いてあったとおり、ミステリーなのか恋愛小説なのか?って感じの本。
戦争で父が亡くなり、母・保子と、主人公・十希子は二人暮らし。母は洋裁身を立てていた後、女学校時代の友人である高級料亭、千代菊の跡取り娘・なみ江のおかげで料亭に中居をしながら住み込みで生活させてもらう事が出来た。
母の気働きのおかげで上客を任させたりして生活は楽になり、親子は千代菊の寮から引っ越し。十希子は不自由ない生活を送る事が出来き、後にお茶の水女子大の英文科を卒業。父が教鞭をとっていたミッションスクールの園長からの強い推薦での英語の教師になる事が出来た。
その後、同僚で先輩である相葉と婚約する事になった。
ある日、十希子の結婚を心待ちにしていた母・保子が客の一人と心中したと言う。相手の男は不正取引で東京地検特捜部に召喚されるはずだった企業の資金課長だったと言う。
母が私を残して死ぬはずがない、しかも心中など・・・
世間のゴシップ記事として世間を連日騒がせたこの事件のきっかけに、婚約は破談になってしまう。
事件の影響で教師を退職した十希子はなみ江に頼んで、千代菊の中居として採用してもらい、母の事件を調べ始める。
同じく母の心中に懐疑的であった非常に感じの悪いゴシップ誌の記者・君島、
相葉の親友であり、相葉と別れた事で十希子へ恋心を持つようになった東京地検検事・紺野、
謎の政治ブローカー、糸魚川の懐に入り込み、助けられながら
十希子は母の心中事件の真相に近づいて行く・・・
母の持っていた通帳の大金の出所はどこなのか?
母は汚職事件に関与していたのか?
口封じに殺されたのか?
本当に男と自殺したのか?
って大筋。
高級料亭の世界などご縁がないけど、ドラマとかに良く出て来る、政治のお偉いさん達の数々の密会、検事や大企業への接待とか普通に行われてるんだろうな、凄く面白い!!って感想。
で、話の主軸としては完全にミステリーなんだけど、主人公・十希子が美しい女性である事から、当然色めく男達の恋愛模様ね?
婚約者だった相葉に検事の紺野、誰にもちょっかいかけて来るなみ江のボンボン息子、慶応ボーイの満。
これまた謎の記者の君島。
そして、あちこちの紹介役、大物の糸魚川。
秘密を知って母を殺したのかもしれない糸魚川の愛人になる十希子だったが・・・・その心は?
う~ん、人の心の奥は自分でも良く分からないよってあまりに平凡は感想
でも先が気になって一気に読めて面白かったかな!