はじめての方、ようこそ。再来、応援してくださっている方にありがとうございます。ハクジュと申します。

集団ストーカー被害記録と、趣味のファンタジーといろんなジャンル書いてます。ご興味のある方はこちら。

ファンタジー過去作品はこちら。お時間のない方は作詞シリーズが短くてお手頃かと思います。

前回までのあらすじ。
葉月は朝成達から暴力を受け、赤ちゃんポストを利用した。ある時、彼女の前に悪魔ロットバルトが現れた。

登場人物
葉月、朝成……ともに二十代。
ロットバルト……青年悪魔。



[わたん坊の友達2-1]

日曜日の朝方、朝成は玄関に出た。
「どちら様ですか」
スーツの男性がベビーカーをひいて待っていた。その中で新生児がすやすやと眠っている。

朝成は来訪者を知っている気がしたが、誰だか思い出せなかった。謎の人物は弁護士の美咲だと名乗った。

「はい、この子ね、司っていいます」
朝成はつっけんどんに応対した。
「何なんですか」
「あなたの子です。葉月さんが産みました」
朝成は彼女に腹を立てた。
「本人が勝手にすればいいじゃないか。おれとは関係ないね」
「あなたとDNAが一致しました」
朝成はひるんだが言い返した。
「葉月とだって一致してるだろ」
「彼女、子供を認知しなかったんで
す」
「何だって」
朝成は冗談と思って聞き返した。美咲は説明した。
「法律が変わったんです。否認の権利は女性のもので、男性からはなくなりました」
「嘘だ!」

ロットは子供をベビーカーごと朝成になすって彼の家を出た。通り道の角で葉月が待っている。
「無関係の子役とはいえ、可哀想でしょ」
「あれね、魔法で動いてるマリオネット」
「そうなの?」
ロットは鼻高々でごちそうを口説きにかかった。
「葉月さん優しいな。バカにしてる奴らクズみたい。ねえ、一口いいかな」

葉月は人間の男性に恐怖するが悪魔のロットは役得だ。彼は彼女を物陰につれこんで本当に一口食べてしまう。ついでに彼女の心の傷も無き物にしておいた。

唇が離れると彼女は真っ赤っか。かなり可愛い。彼はもう一口、もう一口とやってる内に最後まで食べてしまった。

朝成はその後、すぐさま赤ちゃんポストを利用して自由を獲得した。しかしいつのまにか子供の噂がひろがり、行方をたずねる者が現れた。

朝成は殺人の容疑をかけられそうになったので、身内にだけ赤ん坊の居場所を明かした。するとその噂も一気に拡がり、彼にとって町は針のむしろと化した。

「男が子供を愛さないなんて」
「子供が可哀想じゃないか。何の罪もないのに」
「私、赤ちゃんポストだけは受け入れられない」
女性達はスクラムを組んで彼を迫害した。

ーー赤ん坊の否認権が女性に移動したニュースは日本中に拡まった。

(続く)





[仲間作ろう]

ひとりぼっちブログはさびしくないですか? アメクリップに参加してみんなに記事を読んでもらおう!

アメクリップ
ブログを紹介し合って人気ブロガーになれる
【アメクリップ】