はじめての方、ようこそ。再来、応援してくださっている方にありがとうございます。ハクジュと申します。

私の記事の紹介です。メッセージボードとほぼ同じです。内容の振れ幅が大きいので、ご興味を持たれた方はこちらをご覧ください。


“ファンタジー”のリンクに飛ぶと、過去作品が読めます。私のバトル、ミステリー、伏線ゼロのゆるゆる作品にご興味のある方はいらしてください。お時間のない方は作詞シリーズが短くてお手頃かと思います。

前作マルコ、完結しました。応援ありがとうございます。ラストはこちら。

今回、過去作品のリメイクをお贈りします。もとの話はこちら。
ハッピーエンドに出来ないか考えていたところ、解決につながる情報を入手。ストーリー救済に挑戦します。

警察機構、法知識、守られる人権については資料を集めるか、取材するべきと存じております。しかし、事情があってその自由がありません。

ですから舞台は臨場感ゼロの日本。救世主に人権問題ありありのパラレルワールド。しかし、ヒロインは実話をもとに書きます。

[眠り姫1]

東祥子は三十歳の時から複数の人物に付きまとわれるようになった。外出が辛くなり、ネット通販で買い物をはじめた。すると配達員からハラスメントを受け、買った食品には睡眠薬や痺れ薬を混入されるようになった。

彼女はインターネットで集団ストーカーの情報にたどりつき、精神科に行かない方法を必死に模索した。しかしある時意識がなくなり、目が覚めたら病院で、統合失調の診断を受けた。彼女は三年間入院させられた。

彼女は退院してまたネット通販を利用し始めたが、やはり薬物混入をされた。食べ物を注文したのに、食べ物でないものが届く。安全な食べ物を得るためには、外出して周囲から嫌がらせを受けるしかなくなった。彼女は飢えに苦しんだ。

統合失調の診断を受けた以上、証拠をあげなければ彼女の妄想にされる。彼女は睡魔と闘いながらブログを開設し、血圧計の記録をあげた。しかし、一般に販売されている血圧計は、低い値が出ないことを知った。

証拠を出せないのなら吐いた方がいい。彼女はトイレで吐きながら、ペットに先に食べさせ、ネット上に動画投稿することを考えた。しかし、借りてるアパートがペット禁止で断念した。

彼女はある時友人を自宅に招待し、証人になってもらうため、黙って異物の入った食品を出した。食べた友人が体調不良を起こしたところまではよかったが、翌日から周囲の人間が「祥子が毒を盛った」と騒ぎ始めた。

警察の任意の事情聴取の期間は異常に短かった。祥子は天山警察署に逮捕され、家宅捜索までされた。彼女は訴えた。
「私は被害者です」
「家から薬物入りの砂糖が見つかった。どこで入手したんだね」
「通販商品に入っていたんです」
「故意に薬を入れる通販なんてあるわけないじゃないか」
「薬物入り食品は証拠として家にとっておいたものです。私は被害者です」
「だからあ、どこで薬物入り食品を入手したのか聞いてるんだよ」

祥子は事情聴取の間、刑事施設で食事を出されたが、そこにも睡眠薬が入っていた。次の日の朝食も昼食も。

祥子がトイレで吐くと、近くにいた女性警官が騒ぎ始め、医者まで出てきて“摂食障害”ということにされた。

のちに彼女が統合失調の診断を受けていることが明るみになり、“妄想性摂食障害”とされた。警察の食事強要はますます厳しいものとなる。

祥子の食事拒否が続くと、飲料にも薬を入れられるようになった。彼女は生水を飲もうとしたが、ばれると拘束され、薬物入りの水と食物を無理矢理とらされた。“本人の生命維持のため”という名目だった。

祥子は訴え続けた。
「睡眠薬を入れられるんです!」
「警察がそんなことするわけないでしょ!」
祥子は食事の時間に刑事施設から逃げようとしてパニックを起こした。
「毒を入れられるんです!」
「あなたは統合失調です」
「吐かせて!」
「いけません」
「殺される!」
「妄想です!」

彼女は鎮静剤を打たれ、睡魔に苦しみながら尋問を受けるようになった。壮年の取調官、山崎が問いただした。
「どこで薬物入りの食品を入手したんだね」
「インターネットで買いました……」
その時だった。
「山崎さん」
「何だ、相武」
取調室に女性警官。年齢は不明。
「容疑者の着替えから更なる薬物が検出されました。物が物ですから話は女性同士の方がいいかと」
祥子は遠のく意識をかき集めながら抵抗した。
「薬品なんか持ってない」
山崎は突き放した。
「話は相武が聞く」
(続く)

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こちらにファンタジーの記事はありません。
配達員のハラスメント記録はこちら。
結果として証拠になりませんでしたが、血圧計記録の入った総括記事はこちら。写真加工アプリを知らなかったため、きれいな写真はありません。
注意。私は警察の世話になったことはありません。

ご覧くださった方に感謝。