選挙をめぐる各党のあまりのレベルの低さに触れることすら躊躇していたが、最近、希望の党という選挙のために急遽設立された国政政党(?)の党首である小池百合子氏がテレビで自分の口から「ユリノミクス」と言っているのを見て思わず唖然とした。

 

 これについて突っ込む人はいないのかと思っていたら案の定、青山繁晴氏が虎ノ門ニュースで突っ込んでいて少しホッとした。

 

 これは、アベノミクスに対抗するために作った言葉であることはよくわかるが、これを自分で言ってしまうところがこの小池という人間の人間性をよく表している。

 

 アベノミクスという言葉は、2012年12月26日に第二次安倍政権が発足してから金融政策を中心に大幅な改革を行ったことから一部の専門家が作った言葉として広がったのであって、安倍総理が最初から自分で作って言っていた言葉ではない。アベノミクスは簡単にいうと日銀の人事に改革の手を入れ、金融の量的緩和を行ったことを中心とする経済政策を指す言葉である。

 

 しかも、これら一連の安倍政権の経済政策が一定の効果を表したことから専門家の間で使われ始めたのであって、政権を取る前、あるいは実態がない状況からこの言葉があったわけではない。

 

 政権もとっていない、政策も行なっていない、成果も何も上がっていない状況で、自分の口で「ユリノミクス」と言っているのを、昨日の党首討論で突っ込んでいる人がいなかったことそのものが「異常」であろう。「お前、本気でそれ言ってんのか?」という感覚を持った人がいなかったことがむしろ恐ろしい。

 

 早い話が消費増税の凍結だけであるが、そんなことはマクロ経済の知識がある人には当たり前の話であり、むしろ今回、安倍総理が財務省やら党内の財務省の言いなりの族議員やらとの調整があるとはいえこの問題を争点の一つにしたことこそ問題なのだが。

 

 ただ、筆者が安倍総理の本音が別のところにあると推定する理由は、安倍総理の周囲には高橋洋一氏や藤井聡氏など、消費増税に反対する専門家ブレーンがいることを知っているからである。なんどもいうが、安倍総理も党内やら財務省やらという足を引っ張る多くの人間をも相手にしなければいけないということを見逃すことはできない。

 

 選挙に勝つためだけの政党がいくつか新しく乱立し、その政党の党首が自らなんの実績もまた権限もないうちに自分の名前にちなんだ「ユリノミクス」という言葉を意図的にはやらせている。

 

 なんともお寒い状況である。

 

 今回は政治の話なので、主観的な観点から話をした。

 

 今回もお読みいただき、ありがとうございます。

 

 初めての方は、このブログを通して貫く基本概念である主観と客観との違いについての説明をしている以下の記事をご覧ください。

 

 主観と客観

 客観についての補足

 外国人には思い遣りがガチでないという事実

 優しさ(主観的)と思いやり(客観的)

 二種類の「正しさ」

 日本の常識は世界の非常識、日本の非常識は世界の常識

 


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