奈良の天岩戸神社。

その頃はまだ車もなかったので、飛鳥駅まで電車で行って、自転車を借りて飛鳥を巡った。

その神社は天香具山の麓にある。
住宅街にぽっかりと竹林が現れ、小さな鳥居とその奥に小さな社が見えた。

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Naraiwato1
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竹林が周りから神社を隔ててるようだ
そう思いながら鳥居をくぐった。

すると・・・。
 

一瞬、くらっと目眩のようなものを感じた後、目を開けると、真っ暗な空間が広がっていた。

星々がきらめき、銀河までも見える。
宇宙空間だった。

 

自分はそのただ中に立っていた。
上も下もなく、はてしなく広大な宇宙。

立っているというより浮かんでいる。
決して真っ暗闇ではないそのただ中で。
そこで、意思を持った大きな存在を確かに感じた。


「これは宇宙?」

と認識した次の瞬間には、元の景色に戻っていた。
ほんの少しの間のことです。


動悸を抑えられないまま、お参りした。
 

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・・・その宇宙が見えた時、
頭の中に浮かんだのは”扉”。

”ここからどこかへいける”という”感覚”。

その感覚は、小さな社の奥から。
ご神体とされている岩からだった。

             *

漫画の「イティハーサ」のなかで、目に見える神々(威神)の一行は、鳥居を門にして、鳥居から鳥居へと移動(テレポート)し続ける。

漫画を読んだのはこの神社に行った後だったのだが、その”感じ”にひどく似ている。