八百善で食事中の蜀山人　右端

蜀山人こと太田南畝は、それまで狂歌で有名であった。

政治批判の狂歌「世の中に蚊ほどうるさきものはなし

ぶんぶといひて夜もねられず」

これは政治を批判したものであると老中に睨まれ

本人は自分ではないと否定した。

４０歳にして役人を志し、猛勉強し

学問吟味の乙の部（御家人の部）で首位で合格。

しかし、それでも将軍との御目見えの身分には

成れなかった。

同時期に旗本の部で合格したのが、

遠山の金さんの父でした。

こちらは順調に昇進し、この金さんも少年までは

ぐれてしまったが、立ち直り御存じのように

１１代家斉が将軍上聴として裁判の審理を自ら

臨席した時、遠山は見事に捌いて将軍から激賞

され、名奉行として将軍に覚えが高くなり、、

それが、生涯の評価としてなった。

御学問所講義風景

ただ、素読吟味と云って試験を行ったが、

その内容は疑わしいものが有る。

以前、御庭番川村家の所で紹介したが、川村の子が

素読吟味として「大学」などを素読をして合否が

判定されるのだが、その試験官が川村と親しい

遠山金四郎が目付として試験監督を行ってたが、

当日、試験を受ける川村の息子が病気で欠席届けを

出していたのにも拘らず後日、合格の通知があった。

この辺は、阿吽の呼吸で通過したのでしょうね。

目付といえば、エリートコースでここを通過すると、

遠国奉行へと進みます。

それだけに部内での競争は激しく互いの落ち度を探して

引きずり落そうとしてた。

役高千石、１０人が定員で本丸と西丸にいるが、

やはり現職の将軍が居る本丸の目付の方が

威勢が良かったと経験者が述べている。

目付

目付というと非常に変わっていて、

変った所では、毎日登城するが、大手門から入り

玄関までの道を直角に歩く、決して斜めに

歩いたりしない。

目付の城中での仕事は全ての監視役である。

前にも紹介したが、大名達が将軍に拝謁する時も

リハーサルを行い、間違いの無いようにする。

坐る畳を間違えてないか、上から何筋目に坐ってるか

或いは、役人が仕事中に居眠りなどしてないか、

旗本・御家人問わず全てに亘って監視する。

藩にも目付は存在する

これは大名屋敷の長屋です

買物に行かないで籠などを使って買い物などしたのです。

色々な棒手振りが声を上げて売りに来てるので

一声かければ買物は出来た

尾張徳川家では、比丘尼をこうして下ろしてるのを

目付に見つかり侍稼業を棒に振りました

特異なものでは、目付部屋の裏には、風呂場があり

入ることが許されてることで、これは、何時将軍から

お召しがあっても見苦しい事の無いようにする為である。

江戸の子供４－９