出版社

勉誠出版 

初版発行

2013/4/5

言語 

日本語

単行本(ソフトカバー)

272ページ

定価

1980円

ISBN-13 

978-4585295389

 

概要

昭和5年

経済恐慌は常態化し、

都市には

失業者があふれ


地方では

娘を売るほど

貧困に苦しんでいた

 

そんな中次郎は

結核の療養をしつつも

収入を得る手立てとして

中央大学講師として

貨幣論を教える事に

 

だが大学では

教授も学生も

マルキシズムの研究に

熱をあげ

 

挙げ句の果てには

天使の啓示に従い、

自ら命を捨てる、

という学生が出てきて

また、その学生を

何ら疑問も持たず

平気で自殺へと送り出す,

という学生も出てくる始末

 

そんな状態の大学を憂う

次郎だが、

 

1931年4月から6月にかけて

東京朝日新聞夕刊に

連載した頃から、

大学が次郎の行動が

問題視し始める

 

というのも大学では生徒に

くだらない小説は読むな、

と指導しているにも関わらず

講師自らくだらない小説を

書いている事は

生徒にしめしが付かない、

との事

 

プライベートの時間を

使って書き

大学には

何ら関係もないと言えども

大学側は聞く耳持たず

 

生徒に惜しまれつつも

翌1932年4月

中央大学を辞職、

以降は作家業に専念する

 

一方世の中は

労働争議が多く

社会主義革命が

起きるのでは・・

と恐れており

一部の軍の将校が

何度もクーデターを企てたが

その事は国民には

知らされていなかった


水面下だった思想活動は

徐々に表立って活発化し、

社会も家庭も個人も文化も

激変

 

共産主義者の手先だといって

大学生や若い人々が

どこの留置所も

満員になるほど拘束され

拷問に遭っていた

 

感想

森、スイスへ行こうよ・・

早く、な

 

一緒にスイスへ行って

同じ結核を治す約束をしていた

田中の死を次郎は

「あいつはスイスに行った」と

思ことにしたと

田中の奥さんに告げる

 

おりしも友人の死を

知ったばかりだったので

その言葉は

「死んでも無になるのではない」

その言葉に重なった

 

この章で次郎の父である

田部氏が次郎の小説を

ようやく

理解してくれているのが

何より

 

妻・節子や妻の父・有田氏は

相変わらず

次郎の事は

理解しようともせずだが

 

フランスで一度会った

黒井大佐と再び会い、

自分がただ生きているだけで

喜んでくれるのだと

実感する次郎

 

田部氏ともども

人生に於いて

心底次郎の事を我が事以上に

理解してくれる人がいるのは

本当に次郎の人徳

 

次郎の頭の良さや

コミュニケーション能力など等を

利用し

次郎に頼みごとをする人が

次から次へと現れる

 

今迄は

騙されそうなもあったが

結果無事でよかったけれど

今後も目が離せない

 

スイスでは結核は治る病気

日本では不治の病

 

気候はジメジメ

世相は不穏

 

満州事変勃発

 

小説家次郎は

政界へ出るんだろうか

 

おまけ

6/10 4:26

日の出3:55 -0

日の入19:13 +0

⏫24度⏬16度晴れ

 

なりたい自分にちまけいで

 6/10

体内年齢:56歳

BMI:22.2

昨日の歩数:3832歩走る人

無事過ごせて感謝音譜

 

 

    

今日のことば

「信頼していたのに

裏切られた」

というような言葉を

時々聞く。

が、それは、

よく聞いてみると、

もともと真の

信頼ではなく、

ただ、もたれかかり、

甘え、などで、

その期待はずれであることが

多い。

-篠田桃紅-