あの空のいろ、雲のいろ、

笑って踊る銀ねずみ、

あの噴泉の水のいろ、

誰が絵の具で塗りかえた

毎朝通る公園の

靄の色さえ黄金いろ、

あなたの愛を知ってから

この世はなんと新しい

この世はなんとうつくしい

あの空のいろ、雲のいろ。

 

           ―西條八十―

 

 

 

 

四月十八日零時三十分

私の愛するみけねこすずちゃんは

遠くを見るような美しい目をしたまま

この世を去りました。

 

昼間ぼんやりと遠くを見ていたすずちゃん。

わたしはあなたに会ってから

この世にある自然のもの、空、雲、花、月、風、夕焼け

それが全部胸に吸い込まれるようにいとしくて

ああ猫の目をもらったのかなと思っていたよ。

 

最期の一時間。やせ細った体でいても

苦しい小さな呼吸をしながら

あなたの目はだんだん輝いて、澄んで、尊く深くなって

「こんなに可愛い猫だっけ」

「ねえ、本当に綺麗だね、どんどん綺麗になっていくね、すずちゃん。奇跡のようだね」

と、夫と泣きながらあなたの体をなでていました。

ほんとうに、背後から天使に抱きしめられているかのように

どんどんきれいなかおになって、毛並みも滑らかになって

そして、羽が生えて、飛んでいった。

 

ありがとう。

私の人生に舞い降りてくれたあなたのうつくしい12年。

絶対、忘れない。

 

 

 

(注*トップ写真は死に顔ではありません、ぼんやりしてるすずちゃんです)