わたしは見たい

あなたたちがたががつがつと、よだれをたらしながら食物に食らいつくのを見たい

ただ食べる、そのことだけに喜びを見出している姿が見たい

太陽の光を浴び、心地よい風に吹かれ、緑の中で

親子ともにみずみずしい果物や肉や野菜にかぶりつく姿が見たい

一刻も早く食べ物を喉に入れようと咀嚼するその顎

歓喜をもって食物を胃に迎え入れる、その全身の喜びが見たい

見たい、見る、見続ける、そのとき

あなたたちの喜びはわたしの幸せになる

世界は祝福する その喜びを

自由は、世界の花々は、あなたたちのためにある

長い時間をただ閉じられた暗闇で過ごし続け

(ああそこには人に連れて来られたペットたちもいるだろう)

その同じヒトから与えられてきたわずかな食べ物でしっぽを振ってきたものたちが

思うさま腹を満たしているのを見たい

それを奪ったすべての元凶としてあなた方に膝をついて謝りながら

飢え渇きをいやしていく命たちの

安心と喜び、存分な幸せが見たい

見たい 見たい 

 

 

 

 

ウクライナ、アゾフスターリ製鉄所の地下に避難し続けている人々に捧ぐ