そういえば御幼少のみぎり、(だよね一応)
木の上から、白塗りで舞いを舞う少年清盛を見初めたドキドキ義朝様。
今度もまた従者と木登りか。鳥の卵でもとるんですかい。
とほほえましく見てたら、ノベライズでは

正清「これでどうして源氏の名をあげることなどできましょう…もう都に帰りとうござります」
義朝「…正清、この木に登ろう、勝負じゃ、いざ!」

てやりとりがあったんですね。
そっち読んでないから知らなかったわ。
本来義朝様を守るお役目なのに空腹だか過労でどさっと倒れて
義朝に助け起こされてKFCおごってもらう正清(違うグッド!
その正清を元気づけの為に木登りに誘ったり
何かとたくましく前向きな義朝。
人気者の源氏の名ゆえにあちこちで歓待を受けまする。とか父への手紙で雄々しく言い放って
現れる敵をなぎ倒しながら進むうちに
なんだか、オーラの明るい荒武者みたいになって清々しい限りですわ。

で、窮地に堕ちた相模国の三浦一族が助けを求めに。
たった二人の力をそれほど高く買うとは、そうとう源義朝様の武力は鳴り響いていると見た。
だって従者がけっこう頼りないんだもん。
「参ろう!」の言い方と表情、いい男っぷりがみなぎってて好きラブラブ

だからさー。もっと出番増やしてくださいよ。もっともっと義朝様が見たいじゃん!
だってその他の登場人物が誰一人としてまことに清々しくないんだもん。
あ、清盛弟がいるけどね……

で、明暗で行くとすっかり暗のパートとなっちゃってる朝廷の人間模様ですが……

今回は、たまこさまがなんだかお気の毒でした。
鳥羽上皇と一緒に、いっつもいっつもイライラいらいらさせられてたあのキャラだけど
少女のころからきっと、あの怪物みたいな後白河タフマンにいいようにされて
従うことしか選択できず、
自分の意思で愛するだの愛されるだの、経験してこなかったんですね。
だからひとのこころごがわからず、
知らず知らずに鳥羽上皇を傷つける。
「愛というものがわからない」と涙を流す璋子のシーン、わたし的には今回一番印象的でした。

得子の苛立ちは、女の勘からくるものだったのね。

璋子に傷つけられ、憎み苦しみながらも
結局愛しく思わずにはいられない鳥羽上皇。
その歪んだ愛情が透けて見えていたから……

その得子がついに皇子を産む!
女にとって当時、尊い方との間に男子を産むというのは
地位と名誉と自分の安泰、群れのなかでのヒエラルキーを確実に上げる一大事だったわけで
(いや、清盛の母のような悲劇もあるわけですが)
当然二人にとってはおめでたいことこの上ないわけですが
立場としては、寵姫。

後白河法皇との間のお子ながら、鳥羽上皇と璋子との間のお子とされている
そして父親から疎まれている、崇徳天皇。
かれは祝いの席に呼ばれることもない孤独な立場。
風雅なイケメン武士、歌を読ませては右に出るものがない(らしい)義清は
そんな孤独な崇徳帝をお傍近くで支える、優しいお方。
この祝いの席に同席できない彼の、心の内を歌った歌を伝えます。

瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢わむとぞ思ふ

そして、どうか崇徳帝のお心をくんでくださいと。
けれどそれを披露するというのは、正統な後継者をほっぽって愛欲に現を抜かす鳥羽上皇を批判することにもつながるわけで
場の空気は一気に険悪に。

そこに松田将太as雅仁親王、笑いながら登場。
鳥羽上皇と璋子の間の子ながら、両親の空虚な関係と周囲の腐った空気を吸って育ち、思い切りひねてます。
顔も洗ってるようだし服も赤い、そして根性悪い。キレイどころの曲者キャラ登場!
(このときで役の上では12ぐらい?)
動きやしゃべりをみると、舞台役者のようなキャラづけで
ふらふらしながら周囲を嘲笑い、しゃべるときはぼそぼそ小声。甲高い声で笑い続けたと思うと赤子の頬をつねるわモノを投げるわ、もののけっぷりは後白河法皇を彷彿とさせますね。
子どもの毒気丸出しにして、親の王家のくさりきった関係と権力の道具にされる赤子を嘲笑い、一族の恥を大人の前で引き出したところで、宴を散会させてしまう。
大した大物です。
て、あれ、主役の清盛君は?

ちょっと前まで型破りの暴れ者だった清盛君は、初めてのわが子の誕生にうれし涙を流し、
健全でまっすぐな魂をしっかり見せてくれました。
そしてこの宴に激怒。

せっかく赤子が生まれたのにここの連中は誰ひとりまともに祝えないのか! 

その通り。この怒りは至極まっとうだ!


すごろくで勝ったらお前の子どもをもらうとか、酒か薬でもしてるとしか思えないっ無茶苦茶な吹っかけをしてきた雅仁に
結局、子供に手を出しやがったら殺す。と刃物を向けた清盛。
ドラゴンボールの「強さのインフレ」みたいに
トンデモぶりで上をいく雅仁の登場で、彼もすっかりいい人側に。
こんなのに負けるな清盛!気圧されるな清盛!だてに汚くないだろ清盛!

(でも雅仁みたいなキャラも結構これはこれで好き)

いっぽうで、ですね。
まるでメンヘラホイホイみたいに
病める崇徳帝ばかりか
病める璋子まですっぽりと胸に抱き
ここでお泣きなさい。というすごいボランティアにでている義清。

彼がスケベならば魔性の両刀遣いなんだが
どうやら聖なるお方のようだ。

彼は王家で義清メンタルクリニックでも開設するといいと思った。
偉すぎです。不思議なキャラだなあ。


なんだかんだ言って私は好きです、このドラマ。見るたびに先が楽しみになってくわ。
早く美女にモテモテ&ツンデレバージョンの義朝が見たいなっと。