がんの告知って、もっと厳かにされるか、
もしくは告知自体をされないのかと思っていた。
私の場合には、検査結果を聴きに行ったとき、
主治医の先生が開口一番、
『signetさん、最近体調おかしくなかったですか?』
『え?先生、何か出ちゃいました?』
『生検でグループ5が出ちゃいました』
と、ものの10秒くらいで告知された。
本人しかその場にいなかったので、
ドラマのような、家族だけが聴いて
本人に知らせないという選択肢はなかった。
告知って、こうなんだっけというくらい、
呆気なくされた。
後で聴いた話だが、私の入院した病院では、
本人にしっかりと病状を伝える方針をとっているとのこと。
がんになったからと言って、必ず不幸が訪れるわけではない。
それならば、きっちりと本人に告知した方が
手術自体も、その後のリハビリも、乗り切れる、という考え方らしい。
というわけで、私自身への告知は滞りなく終わったわけだが、
私から家族への告知と、私から友人への告知をどうするのかを
考える必要があった。
まだまだ、がんについて誤解している人は多い。
『がんになった』
と言えば、口には出さないまでも、深刻な対応になる。(気がする)
『がんだけど、たいしたことはない』
と言えば、心配させまいと無理をしているんだ、と思われる。(気がする)
そのままストレートに伝えることにした。
わからないことはわからないと伝えた。
誤解する人と、拡大解釈する人は放置した。