我家の庭に、父親が残した2坪程の池がある。 

父親が飼っていた50cm程の鯉が2匹、大垣で購入した

鯉が2匹、池で孵化したのが5匹、今春デビューした

ちびっ子が3匹、計12匹が泳ぐ。

 毎年、春になると鯉に恋の季節がくる。お腹の大きく

なった雌に、雄がピッタリ寄り添い産卵を促す。雌は雄

に押されながら池のあちこち泳ぎ廻る。タイミングが合

えば、ホテイアオイに産み付けられた卵を保護出来る。

少し時間が遅れると、他の鯉に食べられてしまう。今年

54日に、産卵行動が見られるも、保護に失敗。又

、来年挑戦してみよう。

 毎日の小さな楽しみに、朝夕2回の鯉のエサやりが、

ある。大きな鯉は直接手からも食べる。慣れているのか

大きくなって機敏に動けないのか、悠々と泳ぐ。とても

心が落着く。ちびっ子は、近くまで来るものの警戒して

すぐ逃げる。

池のそばに立つと、エサを求めて集まって来る。その

中心当りにエサをやると水音たてて食べる。鯉の動くの

に合わせて、エサも拡散していく。残りのエサを求め、

それぞれ鯉も動く。目で追うのか匂いなのか、しばらく

すると、完食する。上から見ていると、やたら泳ぎ廻っ

てエサを探している。「ほら、すぐ右にあるよ。」と教え

てやりたくなる。人間は三次元で、俯瞰して見られるか

ら、そう鯉に教えてやりたくなるのだろう。毎回そう思

いながら、鯉に遊んでもらっていたのだが、ある時、

フト思った。〈鯉より賢いつもりでいる自分も、鯉と一緒

なんだなあ。〉

私より経験豊かな人や、物事を多方面から、又長期的に

見られる人、いわゆる賢い人から見れば、多分私の行動

は、鯉レベルで、あっちでぶつかり、こっちでうろうろ

なんだろうと。鯉に鷹の目が必要なように、人間にも

四次元、五次元、六次元、神の目が、必要なんだろうと

思う。あまり、多次元のことは分からないが、せめて

鷹の目、四次元の目(空間+時間)は持ちたいものだと

思う。

 目標を達成するための、今はどのあたりにいるのか。

 夢を実現するために、今何をするべきか。

 

 岐阜県建築士事務所協会の協会ニュース記事