中国の地政経済学者ルー博士の、「アメリカはドルを救う為にユーロを犠牲にしたのではないか」と言う見解を紹介したビデオの視点がなるほど〜だったので載せます。

 

 

このルー氏はまず、アメリカはウクライナ戦争後、10回も利上げしたと指摘。これは昨日書いたキャリートレードでドルを支える為に、アメリカは自分の子分達(日韓、欧州)に金利差を生むように命令したって事でしょう。1番の被害者は日本ですが、欧州もやられたのは事実でしょう。

 

ルー氏

 

次の指摘はそれ以前にある問題として、アメリカは自国経済が限界に来てドルが下がる事を予測していた(ルー氏の計算によると、アメリカが借金でどうにもならなくなり、世界中の誰もがドルを捨てるようになるのはあと4年)。

 

そうなるとドルに変わるのはユーロしか考えられなかった。RMB(中国の通貨)はアメリカに従属していたので、アメリカはそこを危険とは捉えずに、まずユーロが台頭しないように考えていた。

 

ユーロが強いのは特にドイツの産業が牽引していたから。もし、ドイツがロシアの安いエネルギーで成長し続け、ましてロシアとこれ以上仲良くなったら、弱まるアメリカはどうにも太刀打ちできなくなってしまう。だから、ユーロ圏、特にドイツの産業を潰したかった。

 

そして地政学上、欧州地域の安定を脅かす戦争を起こしたかったとの指摘です。

 

実際、ドイツとロシアのパイプラインのノードストリームはバイデンの命令で爆破されたと今は分かってる事だし(記事)、お陰でドイツで安く生産出来なくなったドイツの基幹産業はアメリカの誘致なのかどんどんアメリカに移ってしまった事も最近書いたばかりです。

 

 

しかしまぁ、ドイツはそうなる可能性を全然考えずに経済制裁に加担したんでしょうか?ロシアからの安いエネルギーが入らなくなったら、自国経済を直撃するって分かってたでしょうに。。そこまでお馬鹿だったんでしょうかね?それとも日本と同様、敗戦国としてアメリカの言う通りにせざるを得なかったんでしょうか?

 

ロシアを抑え西側に服従させる為に、西側が長年計画してウクライナを使って実行に移した戦争。でも、ロシアは思ったより強く、戦争は負けたし、経済制裁も逆にBRICSを台頭させる結果になってしまいましたよね。

 

ルー氏もアメリカ(西側)の計算違いは、2つ。1つはあれだけ経済制裁すればロシアは経済的に力を無くすと思ったが逆に潤った。もう1つは中国は常にアメリカのドルを支えている存在で、中共政府もその方向を貫く意向だったが、ウクライナ戦争を機にドルに挑戦する事に転じた。だそうです。

 

ドルに挑戦する事に転じたとは、ロシアと仲良くしてBRICSを強くする方に転じたって事だと思います。BRICS通貨の発行の話もありますが、そこまではどうなるかまだ分かりません。少なくとも現在BRICS下では自国の通貨で取引や、BRICS圏内ではRMBで取引する事が増え、RMBの他国での流通は物凄く増えたそうです。

 

ただ、アメリカのようになりたくないので、中共は沢山RMBを刷って流通させたくないそうです。

 

本題に戻ると、戦争に勝って欧州もアメリカと共にロシアから搾取できて潤うつもりだったんでしょう。が、戦争に負けて逆にその分アメリカに搾取されるハメになってしまったと言ったとこでしょうか。

 

こんな感じで、アメリカが完全に萎んでしまうまで、アメリカに追随する西側諸国はジワジワと何年も酷い目にあい続けるんでしょうね。西側には嬉しくないニュース。