恋愛小説倉庫 -7ページ目

恋愛小説倉庫

恋愛小説を書いています。
・偽りの感情



「きーよーこーさーーーーん!」


バレーボール部のマネージャーの清水清子。


誰もが見とれてしまう美人でもある。


「田中だけ話しかけてずるいぞ!」


のやさんもやってくる。


「・・・・」


完全に無視されてる2人だが折れずにアピール。


「なんだよー…彼女いるくせに…」


ぼそっと日向がつぶやく。


だが、それと別に影山がひどく悩んでいる顔をしていた。


眉間にしわがよっていて考えている。


(…伊藤香織がなんかあるのか…?)


なぜかわからないが気になる。


少し聞いてみるか。


立ち上がり影山が香織のところへ向かおうとした。


「・・・・・・・・・で、あいつどこいるんだ?」


まずそこからである。


学校内にいるのかすらわからない。


「あいつ部活やってるのか?」


「ねー、さっきからブツブツうるだいんだけどー」


日向がいじけた顔で八つ当たりのように言ってきた。


「うるせー。ちょっと考えごとだ。」


そういって体育館の外に出て水道に向かった。


「ここがうるせーやつもいないし落ち着くな」


「うるさいやつって龍のこと?」


「ちがう、ひなた…って、香織」


突然影山の顔を覗き込んできた。


「龍って…」


「ん?田中龍之介のことだよっ」


「知り合いだったのか?」


「まぁねっ」


ちょっと顔を赤らめて香織は笑った。


「ふーん…。って、部活とかは?」


「なにもやってないよー」


「何でひとり?」


「なんとなくー」


「友達いないの?」


「いるよー」


他愛もない会話が続いた。


ふと思い出す。


そういえば香織に用事あるんだった。


「香織ってなんかやらかしたのか?」


「やらかしたって?」


「明日香に。」


「あー…私影山くんの隣に引っ越してきたのが最近なんだよねー。それで前まで明日香と同じ中学だったの。なんかわからないけど嫌われちゃったかなっ」


へへっと平気そうに笑うが実際は悲しげな瞳をしていた。


「明日香と仲良かったのか?」


「う…うん・・・今でもできれば仲直りしたいな…」


「俺がなんとかする」


「・・・・え?」


影山の一言に驚きが隠せない。


「香織と明日香を仲直りさせる。明日ちょうど土曜日だし、しかも部活ないからどっかいくぞ」


「え…あ、うん…?」


「俺が明日香を誘う。三人だけだと不自然だからだれか代わりの男誘っとけ。じゃっ」


「ちょ、ちょっとまって、もう一人の男は誰でもいいの?」


「あぁ、誰でもいい。俺がなんとかする。」


「彼氏でも?」


「あぁ。じゃあな、明日11時噴水前。」


「うん!」






おどろいたな…


香織、彼氏いたんだ…。














次の日、噴水前



「って、なんで影山がいんだよ!」


「え、田中先輩?」


待ち合わせ場所に一足早くついた影山の目の前には田中がいた。


「俺は彼女にダブルデートするーとか言われたから…」


「はっ…香織の彼氏って…」


「俺だけど?」


あまりに驚き言葉を発せない。


まさか田中だったなんて誰も予想してなかっただろう。


「まさか影山に彼女がいたなんてなぁー!堅そうなお前にはびっくりだわっ」


「ち、ちがう!俺は彼女なんていない、本当の目的は…」


影山が事実を言おうとしたら、


「おまたせー!って、誰!?」


明日香が待ち合わせ場所にきた。


「あー。言うの忘れてたけど四人で遊ぶんだよ」


「な。2人きりって…」


明日香が少し落ち込む。


「まぁまぁ、彼氏が二人きりっていったのに別な男いたらいやだよなぁー!じゃあ、俺は帰りますわっ」


田中が気を遣ったかのように帰ろうとしたら今度は香織がきた。


「ごめんごめん!寝坊しちゃってっ」


「かっ、香織!なんであんたがいるのよ」


「明日香…」


2人は見つめ合った。


いや、火花が散っているようにもみえた。


その状況を切るかのように


「まぁまぁ、自己紹介しようぜ!俺は田中龍之介。香織の彼氏!今日はせっかくのダブルデート楽しむか!」


ニカっと田中が笑って見せた。


「龍!遊園地行きたい!」


そういう香織が遊園地のチケット四枚を広げて見せた。


「いいぜいいぜ!もえてきたわああああああ!」


田中が一人ではしゃいでるように見えた。







遊園地の入り口を通りさっそく田中が


「ジェットコースターいくぞぉおおおおお」


走り回ってきゃはきゃはしている。


「まってよー龍っ」


香織は本来の目的がわかっているのかよくわからない。


田中の跡を追って行ってしまった。


「なんで私と香織をくっつけようとしたの」


影山に明日香が聞く。


「香織が仲直りしたいって言ってたから。」


「いやよ。恨んでも恨んでも恨みきれないもん。絶対仕返ししてやる。」


「なにされやんだよ…」


「そのうちわかるわよ。…でも今日は好都合だわ。彼氏さんまでつれてきてくれたし…いまから私の思うがままにしてやる…みてなさいよ・・・・・・・」


それだけいって香織たちのところへ向かった。


あれ以来明日香は一言も発さなかった。


この後ティーカップ、メリーゴーランド、お化け屋敷…といろんなものに乗って行った。


時刻は8時。


あと一時間で閉会時間だ。


「…ねぇ!観覧車のらないー?」


突然明日香が喋った。


「う、うん!」


明日香が喋ったとこにすごく喜び香織が返事する。


おもしろくないのかな、楽しくないのかな…っと香織はなんだかんだで明日香を心配していた。


「2人づつのらないー?」


明日香がまたもや話す。


顔はとってもニコニコしている。


「え、うん!」


ちょっと残念ながらの返事。


でも楽しんでもらえるならいいかなって思っているであろう。


自分たちの順番がまわってきた。


最初に田中が乗って続いて香りも乗ろうとしたら


バンっ


「…いたっ…」


明日香が押して田中と二人きりで観覧車に乗った。


「あ、明日香!?」


影山もそれにはおどろいた。


そして田中が明日香にきれようとしたとき、


「え!田中先輩だったんですか!?影山かとおもってついつい焦って…ご、ごめんなさいっ…」


凄く落ち込んで悲しい顔。


涙目にもなっていた。


「…あーそーゆーことか。影山と本当は乗りたかったのかー。てっきり香織のこと追い出したのかと…」


「ご、ごめんなさいっ…」


観覧車の椅子に座り泣き出してしまった。






「明日香…?どうして…」


「なんであいつが…」


2人は驚いていた。


「ねぇ、私たちも乗ろう、龍と明日香の様子が気になる」


「おう」






「おいおい、泣き止めよー!いくら俺が嫌だからって、影山がいいからってそんななくなってー!俺ももうおこってねぇからさーーー」


あまりにも泣き止まないので田中は焦っている。


「先輩…隣にきてなぐさめて…」


「あ…え・・・お、お・・」


田中は戸惑いながらも明日香の隣に座る。






「な、なんで龍が明日香の隣に…」


香織こそが泣きそうになっていた。


「あいつ、何考えてんだっ…」





「な、泣き止んだか?」


「…ねぇ、先輩…こっちむいて」


「ん・・・・・・・?」








「りゅ…う…?」


影山と香織の目に映ったのはキスしている2人の後姿。


その時ガクッと香織は肩を落とす。


「香織!?」








最初に田中と明日香が観覧車からでてきた。


その数分後に二人もでてきた。


「あーわりぃわりぃ本当はこいつ影山とのりたかったらしくてさぁーだからもう一度…」


そのとき明日香が田中の腕に捕まってきて、


「あんなことした仲じゃないですかぁ~もう楽しかったですし影山はいいですっ」


「あんなこと?(慰めの事か)いや、でも俺は香織と…の、のりてぇし・・・」


ちょっと照れくさそうに田中が香織の方をみると、影山しかいなかった。


「あれ?香織は?」


「帰りましたよ。」


なぜか影山の言葉にはとげがあった。


「は、はい?なんであいつ帰ったんだ?」


「当たり前だろ。彼女をなんだと思ってる」


影山もそれだけいって帰って行ってしまった。


「な、なんなんだ?」


田中は全く理解出来てなかった。


「影山こわーい!なにか勘違いしてるみたいだから私が誤解解いてきますね!田中先輩も安心しておうちに帰ってください!」


「え、あ、あぁ…」


田中もかえることにした。







「影山ぁー。あんたまで怒る必要ないんじゃない?」


「…」


影山は黙って立ち止まっているだけだった。


「何を勘違いしてるかわからないけど。キスしてないわよ?」


「…は?」


「あんたたちの角度からはキスしているように見えたかもしれないけど、そんなやましいことしてないし、第一あんな男となんてキスもしたくない。」


「全部お前の作戦だったのか。最低だな」


影山が走って香織のところへ行こうとしたら


「だまして私を誘ったのも最低だと思うけど?しかもなんでそんなに香織香織って、叶う恋じゃないのに。香織をあきらめたら?」


「…俺は別に香織のことは好きじゃない。」


それだけ言って影山がまた走りだした。


「ふーん…珍しいやつ」







早くあいつに事実を伝えなきゃ。


それだけが脳内をめぐる。





いつものように家に帰り階段を駆け上る。


自分の部屋の窓をあけ香織の家の窓に手を掛けると開いていた。


窓の向こうには香織がベットにうつぶせに寝っころがっていた。


「香織…」


そっと窓から影山が香織の名前を呼ぶ。


「…バカ…龍のバカ…なんでっ…ばかばかばかばか…私の事好きって言ったのに…私だってまだ…龍と…ひっく・・・」

















この日の夜は泣き止むまでずっとそばにいた