ダイヤモンドオンラインに、「ダウンロード違法化潰し」は漫画家の総意ではなかったという記事が掲載され、少々物議を醸しているようです。

背後にいる一部の学者と弁護士の強力な後押しが引き金になったのではないかという意見です。

 

以下の記事を書かれたのは、慶應の岸博幸先生で、竹中平蔵さんの大臣時代に部下だった方です、現在はエイベックス関連会社の役員で、エイベックスの顧問でもあります。

そのため、バイアスのかかった記事だとは思います。

 

しかし、日本漫画家協会の周辺の複数の異なる筋から、ダウンロード違法化に反対する協会の声明はすべての漫画家の総意ではない、という情報提供があったのは事実なのでしょう。

https://diamond.jp/articles/-/198241

情報提供でわかった新事実 漫画家協会の声明は一部の意向だった


 前回、この連載でダウンロード違法化について述べたところ、意外な反響がありました。日本漫画家協会の周辺の複数の異なる筋から、ダウンロード違法化に反対する協会の声明はすべての漫画家の総意ではない、という情報提供があったのです。
 そこで、まずはどのような情報提供があったのかを記しておきます。ちなみに、複数の方からの情報提供の内容は基本的にほぼ同じであり、かつ私もそれらの情報の裏取りをしたので、信憑性は高いと思います。


 提供された情報のエッセンスは、非常にシンプルです。ダウンロード違法化を定めた著作権法改正法案の国会提出先送りのきっかけとなった、ダウンロード規制に反対する日本漫画家協会の声明は、協会全体(漫画家全体)の総意ではなく、協会の理事長とごく一部の理事のみの意向で作成・公表されたのが、実情のようです。


 協会の幹部の中にも声明の内容に賛同しない人がいるようですし、また、そもそも声明の内容や公表について、協会の一般会員である漫画家には事前に何も周知されていなかったようです。


 それでは、なぜそのようなことが起きたのでしょうか。情報提供してくれた人たちが共通して指摘しているのは、日本漫画家協会が自らの意思として声明を出した(ダウンロード違法化に強硬に反対したかった)というより、背後にいる一部の学者と弁護士の強力な後押しが引き金になったのではないか、ということです。

 

漫画家の団体ではありませんが、CODA(組織・コンテンツ海外流通促進機構)は、法案が見送られたことに対し、「大変遺憾」とする声明を会長名で公表しています。

漫画家の圧倒的多数が、先の改正法案に反対していた訳ではないことが推認されます。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/14/news085.html

無許諾でアップロードされたコンテンツのダウンロードを私的利用でも違法とする範囲を、漫画や論文などあらゆるコンテンツに拡大する政府の著作権法改正案について、自民党が法案の今通常国会提出を見送ったことを受け、日本のコンテンツの流通促進と海賊版対策に取り組む組織・コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は3月13日、「大変遺憾」とする声明を、後藤健郎会長名で公表した。

 

なお、日経BP XTECHの記者が、この顛末をまとめています。

今回は立ち止まって、法案を先送りすることが適切だったのかもしれません。

 

ただ、先の著作権判例百選事件もそうでしたが、引退した老学者がいつまでも影響力を(強引な形で)行使する状況が好ましいのか、疑問も感じます。

自分は法学者ではなく、しがらみもありませんので、敢えて書かせて頂きました。

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00138/032700258/

 「網が細かすぎて、マグロもメダカも一網打尽にするような規制はよろしくない」(東京大学の中山信弘名誉教授)、「権利者が保護を欲していない、保護の必要性もない著作物を含めて、一律に著作物を利用する自由を萎縮させる」(北海道大学大学院の田村善之教授)――。

 文化庁が2019年の通常国会に提出しようとした、違法ダウンロードの対象拡大を盛り込んだ著作権法改正案。ところが法案の提出間際になって大論争を招き、結局は今国会への法案提出を断念せざるを得ない異例の展開をたどった。

 

 文化庁に早期の海賊版対策を求めていた権利者側からは当然、不満の声が上がっている。「要望してきた者としては(ダウンロード違法化の改正案提出の見送りに)リーチサイト規制まで道連れにされるのは複雑な気分」(マンガ・アニメ海賊版対策協議会事務局長の桶田大介弁護士)。

 

 

 もちろん、海賊版コンテンツ対策は喫緊の課題である。ブロッキングという対策が見送られた経緯もあって、著作権法改正による何らかの海賊版対策が急務だという点は、委員たちの間でも共通認識になっていただろう。

 

 それでも、2018年10月以降の法制・基本小委は、「平場で徹底的に議論する」とはかけ離れたものだったと、筆者は感じる。

 

 心配なのは、2019年度の法制・基本小委だ。通常国会での提出を見送ったダウンロード違法化などの海賊版対策を再び議論するにせよ、別の話題に取り組むにせよ、参加者がお互いに警戒し合うような事態になりかねない。