朝日新聞が、ダウンロード違法化の政治決着について、審議会委員である学者のインタビューを報じています。

文化審議会の小委員会の委員でありながら、直後に法案提出を阻止しようと奔走したのか、という内容です。

https://www.asahi.com/articles/ASM3L3R5DM3LUCVL00R.html

 

 政府は著作権法の改正案を開会中の通常国会に提出することを見送りました。海賊版対策として著作権侵害物のダウンロードを全面的に禁止する方針に、大きな反対が巻き起こり、自民党が認めないという異例の「政治決着」があったためです。背景には、ネット社会で限界を迎えた著作権法の課題も見えてきました。


法案提出阻止も「複雑な思い」


 「禁じ手ではあるとわかっていたのですが、政治家に働きかけるという行動をとりました」
 政府が法案の国会提出を断念した4日後の17日、都内でのシンポジウムで、小島立・九州大大学院准教授が打ち明けた。小島氏は法改正の方向性を「了承」した文化審議会の小委員会の委員でありながら、直後に法案提出を阻止しようと奔走した張本人でもあった。なぜ「造反」をしたのか

 

上記は有料記事で詳細は不明なため、西日本新聞記事も引用しました。

 

小委員会報告書はわずか3カ月で取りまとめられた、刑事罰において加重される「正規版が有償で提供されているもの」および「継続的にまたは反復して行う場合」という二つの要件が処罰範囲を適切に限定する効果を有しない危惧があった、指摘する問題点も表現の自由や刑事手続きなどに広がった、ということのようです。

 

経産省、特許庁が所轄する法律で、このような混乱が起きたことはないと思います。

文科省、文化庁とは、組織の力、人数、人材に差があるということでしょうか。

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/opinion_view/article/496698/

 筆者は法改正の実質的な議論を行う文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の委員を務めていた。本年度前半、海賊版サイトへの閲覧防止措置(サイトブロッキング)の議論が不調に終わったことを受け、「ダウンロード違法化」の問題が小委員会に示されたのは昨年10月末。海賊版への緊急対策として始まったはずの議論は、違法な著作物であることを知って行うダウンロード(スクリーンショットを含む)を広範に違法化するとともに、その一部を刑事罰の対象とする方向に舵(かじ)が切られていった。小委員会で複数の委員が慎重な検討を求める共同意見書を提出するなどの異例の展開をたどった末、小委員会報告書はわずか3カ月で取りまとめられた。


 文化庁が与党に提示した案では、違法なソース(情報源)からのダウンロードについて、その事情を知っている場合には、どんなに些細(ささい)なものでも幅広く違法となること、そして、刑事罰において加重される「正規版が有償で提供されているもの」および「継続的にまたは反復して行う場合」という二つの要件が処罰範囲を適切に限定する効果を有しないことが危惧された。


 与党での法案審査が進む中で、文化庁案の広範な規制範囲は、私たちの日常的なコミュニケーションや知的生産活動に悪影響を及ぼすのではないかという懸念が社会で共有されていった。知的財産法・情報法研究者グループ、日本漫画家協会、日本建築学会会長、福岡の弁護士も発起人に名を連ねた弁護士グループなど多くの有志が慎重な検討を求める声明を発し、指摘する問題点も表現の自由や刑事手続きなどに広がった。