ニコンが半導体露光装置メーカーASMLと光学レンズのカール・ツアイスと特許訴訟で争っていた事件ですが、ニコンの190億円受け取りと、相互に0.8%ライセンス料を支払う契約で和解しました。

 

基本的には半導体露光装置の紛争ですが、一部デジタルカメラに関する特許も含まれています。カール・ツアイスが露光装置だけでなくカメラレンズも作っており、その特許が用いられたものと思われます。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40368920T20C19A1TJ2000/

ニコンは23日、半導体露光装置やデジタルカメラの特許に関する訴訟について、オランダのASMLなどと和解することで基本合意したと発表した。合意内容はニコンがASML側から1億5000万ユーロ(約190億円)の支払いを受けることなど。ニコンは「知的財産を守る目的だったが、和解は双方に有益な結果だと考えている」とコメントした。

 

ニコンとASML、独カール・ツァイスの3社間で、2月に和解やクロスライセンスに関する最終形約を結ぶ。ニコンとASMLは契約締結日から10年間、半導体露光装置のなかで微細な回路を製造できる「液浸露光装置」の売上高の0.8%の金額を相互に支払う内容を盛り込む。

 

ニコンは2017年4月、液浸露光装置の技術に関してASMLとカール・ツァイスの2社を日欧で訴えた。ASML側は対抗措置として半導体製造装置やデジタルカメラの特許についてニコンを訴えた。18年夏、米国際貿易委員会(ITC)はニコンのデジタルカメラの販売差し止めの「暫定判断」を示していた。

 

以下はニコンのプレスリリースです。

自分もニコンの一眼レフカメラを持っており、ニコンさんの業績が良くなるのならば歓迎します。

 

しかし、過去の事例研究では、一旦シェアを奪われた後、特許で競争相手を抑え込もうとしても、実力を付けた競争相手がどんどん先へ進んでしまい、シェア回復は困難であるとされています。

 

ニコンはこの紛争で勝訴的和解を勝ち取りました。

しかし、半導体露光装置事業で巻き返しを図ることは、ほぼ困難と思われます。

https://www.nikon.co.jp/news/2019/0123_01.htm

株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)と、オランダのASML Holding N.V.(以下「ASML」)およびドイツのCarl Zeiss SMT GmbH(以下「Zeiss」)は、2019年1月23日(日本時間)、露光装置およびデジタルカメラの特許に対する全ての訴訟手続の包括的和解に関し、基本合意覚書を締結しました。

基本合意覚書は法的拘束力を有し、3社間で行われている、欧州、日本、米国国際貿易委員会(ITC)を含む米国における全ての訴訟が対象です。3社は、本年2月に、和解およびクロスライセンスに関する最終契約を締結し、3社間の全ての訴訟を取り下げる予定です。なお、基本合意覚書の条件には、ASMLおよびZeissから当社に対する、総額150百万ユーロ(約190億円)の支払いが含まれます。さらに、最終契約の締結日から10年間、液浸露光装置の年間の売上高の0.8%に相当する金額のライセンス料を相互に支払うクロスライセンスの合意も今回の基本合意覚書に含まれています。