「どうなる八丁味噌」

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中日新聞に<どうなる八丁味噌> (上)(中)(下)という特集が組まれています。

 

岡崎市の二社でつくる「八丁味噌協同組合」(八丁組合)と、県内四十三社の味噌業者などで構成する「県味噌溜醤油(しょうゆ)工業協同組合」(県組合)が、別々にGI登録を農林水産省に申請し、その結果、両方の申請が認められないことになりました。

 

その後、2つの組合がGIの申請を別々にしたところ、一旦は登録が受け付けられなかったものの、八丁組合が申請を取り下げたため、県組合のみが認められたというのが、事実関係の概要です。

 

八丁組合は頑なに伝統を守っていますが、最後の(下)に出てくる野田商店のように、伝統的な製法をかたくなに守りながらも柔軟な姿勢を示すことが解決の糸口と感じます。

 

元々の製法・素材にこだわった本家八丁味噌か、現代の技術を生かして作った八丁味噌なのかは、消費者にとっては、それほど重要とは思えません。

ビニールハウスで作った苺やクリーンルームで作ったレタスも、消費者は受け入れています。

近大マグロやウナギの養殖も然りです。

 

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20180802/CK2018080202000306.html

 岡崎発祥の「八丁味噌(みそ)」の名前を、お膝元の老舗が海外で名乗れない-。そんな事態が判明してから半年が経過した。地域に根差した産物の名前を守る国の地理的表示(GI)保護制度を巡り、県全域の業者でつくる組合が「八丁味噌」のGI登録を認められたのに対して、反発する岡崎の二社が登録から漏れたままになっている。問題の根はどこにあるのか、制度に問題はないのか、解決への道筋は-。三回にわたり考える。

 直接の発端は三年前にさかのぼる。二〇一五年六月、岡崎市の「まるや」「カクキュー」の二社でつくる「八丁味噌協同組合」(八丁組合)と、県内四十三社の味噌業者などで構成する「県味噌溜醤油(しょうゆ)工業協同組合」(県組合)が、別々にGI登録を農林水産省に申請した。

 八丁味噌とは、発祥地の岡崎市八帖町で造られたものに限定されるのか、それとも、より広い範囲で認められるのか-。両者がたもとを分かつ背景には、根本的な問いが横たわる。

 「八丁味噌の名称を巡る論争は百年戦争と言われるんです」。県組合専務理事の富田茂夫さんは問題の根深さに苦悩をのぞかせる。

 両者の摩擦は今に始まったことではない。地域名を含む特産品の名前をブランドとして認める「地域団体商標」制度が〇六年に始まると、やはり県組合と、〇五年に設立された八丁組合が別々に申請。特許庁は、一方に独占的な権利は与えられないなどの理由で双方とも認めなかった。

 

 農水省は「八丁味噌は加工品や料理などの形で県全体で売られている」と県組合寄りの認識を示した。八丁組合には「生産地を県に広げてほしい」とたびたび要請したが、八丁組合は「県組合の製品は製法が異なり、八丁味噌とはいえない」などと応じなかった。

 八丁組合は一七年六月に申請を取り下げた。GIのガイドラインには、地域内の合意が登録の前提となるという記述があり「申請を取り下げれば県組合の申請も認められないと思った」(理事長の早川久右衛門さん)との狙いがあった。

 しかし、農水省は一七年十二月「県組合の製法も同一範囲と判断した」などとして県組合の申請を認めることを決定。思惑が外れた形の八丁組合は、県組合と一緒の登録を促す農水省の提案を受け入れず、今年三月に同省に不服審査を申し立てた。

 早川さんは「品質も製法もあまりに異なる組合と一緒になることはできない。農水省は伝統的な製法や食文化を守ることに真剣になってほしい」と話す。

 

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20180803/CK2018080302000054.html

「伝統的な生産方法や気候・風土・土壌などの特性が、品質等の特性に結びついている産品の名称を保護する」。農林水産省のホームページには、地理的表示(GI)制度についてこんな説明がある。

 

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20180804/CK2018080402000058.html

 「地元では当たり前でも、東京では愛知の味噌(みそ)文化は全然知られていない」

 「桝塚(ますづか)味噌」のブランドで知られる野田味噌商店(豊田市桝塚西町)の四代目、野田好成さん(34)は四年前、店の味噌を使った料理を出す居酒屋を都内で開店した際に、こんな危機感を抱いた。今は味噌造り教室を開くなど、味噌文化の普及に努める。

 野田味噌商店は一九二八(昭和三)年の創業。同社によると、三河地方を中心に、大豆の栽培農家などから委託を受け「八丁味噌」として仕込みを代行してきた。木桶(おけ)に大豆を仕込み、石を積んで十八~二十四カ月間天然で熟成させる伝統的な製法をかたくなに守る。一方で、県内の味噌業者でつくる「県味噌溜醤油(しょうゆ)工業協同組合」(県組合)にも加盟する。