日本弁理士会会長の任期は2年のため、この4月に会長の交代はありませんが、就任2年目のご挨拶が掲載されています。

 

(1)知的創造サイクルの活性化と、弁理士の業務環境の改善として、知財広め隊、知財キャラバン、代理人のプレジデントミーティングが、

(2)会員にとって有益な施策の充実として、コンサル業務に関する研修、演習型の実務研修、必須研修等が、

(3)中小企業への知財支援と知財の普及活動の強化として、知財広め隊、知財キャラバン、中期的広報戦略が、

(4)日本弁理士会の組織の改革として、中長期的な課題を検討する委員会の立ち上げ、テレビ会議システムの活用が挙がっています。

 

https://www.jpaa.or.jp/opinion/%e5%b9%b3%e6%88%9030%e5%b9%b4%e5%ba%a6-%e4%bc%9a%e9%95%b7%e5%b0%b1%e4%bb%bb2%e5%b9%b4%e7%9b%ae%e3%81%ae%e3%81%94%e6%8c%a8%e6%8b%b6/

就任2年目のご挨拶〜知財の輪の更なる拡大を目指して〜

日本弁理士会会長 渡邉敬介

 

本年4月1日より、日本弁理士会会長に就任して2年目に入りました。日本弁理士会の活動への皆様のご理解とご協力に心から感謝申し上げます。

1年目は、「広めよう、知財の輪」をスローガンに、(1)知的創造サイクルの活性化と、弁理士の業務環境の改善、(2)会員にとって有益な施策の充実、(3)中小企業への知財支援と知財の普及活動の強化、(4)日本弁理士会の組織の改革という、4つの基本政策を掲げて活動してきました。2年目は、1年目の経験を活かしながら、知財の輪の更なる拡大を目指して、この4つの基本政策を更に推し進めていこうと思っています。

以下に、上記4つの基本政策に関し、2 年目での取り組みの要点を述べさせて頂きます。

 

知的創造サイクルの活性化と、弁理士の業務環境の改善

我が国の企業の99.7%を占める中小企業の知財の活用を促進することで、知的創造サイクルの活性化と弁理士の業務環境の改善を図るべく、知財の有用性を分かりやすく伝えるセミナーと地元の弁理士との交流会をセットで開催する「知財広め隊」を全国各地で実施してまいりました。全国むらなく知財の良さを伝えたいという思いから、1年間で47都道府県を含む50カ所での開催を目標にして進めてきました。1年目は、50カ所を超える地域で開催しましたが、いくつかの府県での開催ができていません。2年目はこの未開催の府県での開催を含めて更に50カ所での開催を目標に実施したいと思っています。

 

1年目の経験からすると、地方銀行や信用金庫などの地元の金融機関の協力が有効であることから、これらとの連携強化を図りたいと思います。また、1年目の活動を通して知った、スタートアップ企業や起業を目指す学生の集まりについて、これらを対象とした「知財広め隊」も企画していく予定です。

 

「弁理士知財キャラバン」との連携も継続します。これまではセミナーや交流会の前後に「弁理士知財キャラバン」の紹介時間をとったりパンフレットを配布したりすることをメインに行ってきましたが、交流会での意見交換などで「弁理士知財キャラバン」に適した企業が見つかった時には積極的に勧誘することも行ってまいります。また、「弁理士知財キャラバン」については、その成果を会員に還元しやすくする方向でやり方を工夫していきます。

 

国際的な弁理士の連携強化のために、平成26年に第1回、平成27年に第2回がそれぞれ東京で開催されたプレジデントミーティングは、昨年はソウルで開催され、本年は北京で開催される予定です。忌憚のない意見交換を通じて、弁理士の国際的業務環境を整えるための連携強化を図ります。

 

会員にとって有益な施策の充実

これまで行ってきたコンサル業務に関する研修、演習型の実務研修、周辺業務に関する研修、企業内弁理士向け研修、グローバル人材育成のための研修などは継続して実施していきます。

 

また、特許法などの改正と共に弁理士法の改正が国会に提出されています。この改正が成立しますと、弁理士の業務として、データの保護に関する業務と標準化に関する業務が追加されます。特許法などの改正に関する研修と共に、これらの業務に関する研修を行います。特に今回の法改正で加わる業務に関しては、弁理士が基礎知識として知っておくべき事項の必修研修と、より高度な知識を得るための選択研修に分けて行う予定です。

 

中小企業への知財支援と知財の普及活動の強化

「弁理士知財キャラバン」を、企業側からの申し込みを待って実施するだけではなく、知的財産経営センターが選んだ企業に対して実施することや、地方自治体、地方の金融機関などから紹介された企業に積極的に働きかけて実施することも視野に入れながら行います。

 

「知財広め隊」は、例えば生徒や学生を集めたセミナーと座談会(交流会)とすることなどにより、若い世代での知財活用意識の向上にも利用していきます。

 

日本弁理士会の中期的広報戦略が纏まりました。「弁理士」の認知度を5年間で10%向上させるために、情報発信力が高い20代から30代をターゲットに、色々な媒体を使った広告とイベントを実施することを骨子としています。1年目で策定したこの中期的広報戦略を2年目である本年度に実行に移します。年度末に効果確認をした上で、次年度につなげていきたいと思っています。

 

日本弁理士会の組織の改革

中長期的な課題を検討する委員会を立ち上げます。この委員会では、例えば5年後の弁理士業界の展望などを検討してもらい、その結果を事業計画や予算配分の資料として活用できるようにします。また、弁理士法改正、知的財産推進計画など、継続的な検討を要する課題への取り組みについても受け持ってもらうことも考えています。

 

本会と各支部間および各支部相互の情報交換をしやすくするために、テレビ会議システムの活用拡大を図っていきます。そのための第1歩として、テレビ会議システムを利用した執行役員会を積極的に開催します。本年2月の試行は支障なく行うことができました。本年度は、主に近畿支部室と東京の役員室をつなぐことになると思いますが、さらに東海支部室との間でもテレビ会議システムを試行したいと思っています。

 

その他

来年は弁理士制度120周年の年になります。記念行事の準備をしっかり進めていきます。

 

また、支部の名称を「日本弁理士会○○支部」から「日本弁理士会○○会」へ変更する準備を進めています。本年12月の臨時総会で関係例規の改正についてご承認いただいた後、来年4月1日より実施する予定でいます。

 

以上要点のみを述べさせていただきました。本年度は、上記基本政策の仕上げの年になります。皆様のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。