10日ほど前の日経新聞に、「確信犯的な特許侵害企業に対策を」という記事が載っていました。

パテントロール対策も重要だが、確信犯的に特許権侵害を行う企業への対策がより重要になっているという内容でした。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24855940Q7A221C1SHE000/

特許を多く持つメーカーの立場からみると、近年、確信犯的に特許を侵害する悪質な企業が目立って増えたと感じる。国際的な大企業ですら、そうした振る舞いをみせることがあり、特許権者の悩みの種だ。重要な特許を買い集めて訴訟を起こし法外な和解金を受け取ろうとする「パテント・トロール(特許の怪物)」より深刻な問題ともいえるが、特許庁などの危機感は薄い。早急に実態調査などを進め、対策を講じるべきだ。

 

特許の問題児といえば米国などで急増したパテント・トロールが代表的だった。ただ米政府の相次ぐ引き締め策で収束気味。訴訟をふっかけて和解金を得るのが彼らの手法だが、多くは早期解決を求めるので金額の折り合いさえつけば交渉はまとまりやすい。

これに対し、悪質な特許侵害をする企業が相手の交渉は格段に難しい。相手は、なるべくごねて特許権者をあきらめさせたいからだ。裁判を起こしても、数年以上かかり高コスト。訴訟費用が数十億円に上ることもざらだ。悪質な特許侵害を停止させる「差し止め請求権」も、なかなか認められないのが実情だ。

 

 

言われていることは理解できるのですが、我が国が確信犯的な特許侵害企業に対して甘いかというと、決してそんなことはないでしょう。

 

以下の通り、我が国での特許訴訟の勝訴率は、実質4割を超えています。

日本の知財訴訟に関しては、判決の妥当性や差止請求権の有効性については、国際的に高く評価されています。

 

https://ameblo.jp/123search/entry-12274871235.html

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO16289420S7A510C1TCJ000/

 最高裁がこのほど、特許権の侵害に関する訴訟統計を見直した。日本の特許訴訟を巡ってはかねて「特許権者側が2割前後しか勝てず、海外主要国に引けを取っている」との批判もあった。だが訴訟途中で和解した場合の結果も反映すると、特許権者側が実質的に勝った割合は4割超に上るという。日本の特許訴訟のイメージは変わるか。

 

中外製薬がジェネリックの製薬会社を訴えた事件では、知財高裁、最高裁とも均等侵害を認めて、特許権者の差止請求を認めました。

サトウの切り餅も、特許権を有する越後製菓に敗訴しました。

キヤノンのインクカートリッジ事件も、知財高裁と最高裁で、特許権者のキヤノンが勝訴しました。

 

進歩性の判断も、論理付け重視となり、特許が簡単に無効になることはなくなりました。

 

ジェネリックに対し均等侵害を認めるのに、模倣企業に対して差止を認めない。そんなことは決してないでしょう。

日本の損害賠償額については、低いという意見も少なくありませんが、特許権による差止が困難というのは事実と違います。