今月の情報管理webに自動運転に関する論文が2件載っています。

一件は技術者の立場から、自動運転の(明るい)未来を述べたもの。

もう一件は、自動運転の法制度に関する論文です。

 

自動運転車の開発動向と技術課題:2020年の自動化実現を目指して

現在,大型トラックによる自動運転隊列走行システムや一般道での完全自動運転を目指した技術開発が行われている。本稿では現在国内外で研究開発されている自動運転車の現状を紹介するとともに,近年目覚ましい技術進化を遂げているディープラーニング等のAI技術や3次元デジタル道路地図とセンシング技術を融合したローカルダイナミックマッピング技術等の技術開発動向について,前回の執筆から2年以上が経過したため,2017年4月現在の最新情報を取りまとめた。

1. はじめに

2020年代早期の実用化を目指して,完全自動運転車の取り組みが自動車メーカーやIT企業を中心に進められている。自動運転はドライバーの認知・判断・操作を制御システムに置き換えるもので,これまでの安全運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance System)注1)とは質的に全く異なり,道路交通システムのパラダイムを変えるものとして,自動車産業界はもとよりサービス事業界や輸送事業界の熱い注目を集めている。

 

自動運転車の実現に向けた法制度上の課題

自動運転が実用化段階を迎えつつある。しかし,特に完全自動運転を実用化するに当たっては,さまざまな法制度上の課題に対応しなければならない。自動運転技術は事故を減らすだろうが,ゼロにすることは絶対にないから,事故が起きたときの法的責任の所在も論じられなければならない。本稿では,自動運転技術が直面することになる法制度上の課題を概観するとともに,対応策の方向性について,提案を行う。

7. おわりに

自動運転技術は,近年飛躍的な進歩を見せたとはいえ,いまだ発展途上である。千変万化する実環境への適応,人間が運転する自動車や自転車,歩行者の行動予測など,克服するべき技術的課題は多い。完全自動運転車は,まず,高齢者の多い都市近郊のニュータウンにおける送迎サービスや,高速道路における隊列自動走行など,限定され変化の少ない環境下での実証実験を経て,実用化へ進んでいくことになろう。

 

 

一件目の論文によれば、完全自動運転の実現は目前とのことです。

高速道路、駐車場、工事現場など限られた領域であれば、完全自動運転も可能なのでしょう。モノレールや航空機では、何十年も前に自動運転・自動操縦が実現されていますので、現代の技術を持ってすれば、限られた領域ので完全自動運転は可能と思います。

 

しかし、一般的には、「完全自動運転」と言えば、大雨の日も雪の日も、歩行者が多い市街地でも、首都高速のようなイレギュラーな高速道路でも、無人で運転できるという意味でしょう。

自動運転の専門家が「3年後に完全自動運転が可能」などと言えば、世の中に誤解を広めることになります。

 

二件目の法制度論文では、「千変万化する実環境への適応,人間が運転する自動車や自転車,歩行者の行動予測など,克服するべき技術的課題は多い。」と結んでいます。

 

少なくとも現時点で、「完全自動運転」という言葉を使うべきではないでしょう。

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