Westlaw Japanに金沢大学の大友教授が、コメダ珈琲の仮処分事件について、記事を書かれています。

 

いわゆるトレードドレスのような、店舗の外観等が保護の対象となった事件です。

 

本件では、債務者が債権者のフランチャイジーとなることを望んでいながらこれを認められずに債務者表示を使用するに至った経緯等、特殊な事案と言えますので、このような判決が相次ぐとは考えにくいです。

 

ですが、研究者や実務家にとっては面白い事案と思います。

 

http://www.westlawjapan.com/column-law/

第99号コメダはこれだ!?
~コメダ珈琲仮処分事件とブランド表示としての店舗外観の保護~
~~東京地裁平成28年12月19日決定※1~~

 

文献番号 2017WLJCC007

金沢大学
教授 大友 信秀

 

1.はじめに
 コメダ珈琲店として喫茶店事業を展開する株式会社コメダ(以下、債権者という。)が、株式会社ミノスケ(以下、債務者という。)を相手に求めていた店舗外観等の使用差止めを求める仮処分の申立てが認められた(以下、本件命令という。)。債権者は、店舗外観に対して立体商標も取得しており※2、ブランド表示としての立体商標の活用といわゆるトレードドレスの関係が注目される。

 本稿では、本件命令で保護が認められた店舗外観の内容及び保護範囲を分析し、我が国におけるトレードドレス保護に与える影響、及び立体商標と合わせたトレードドレスの保護のあり方について検討する。

 

(3) 保護範囲

 本件は、十分に特定された場合には、店舗外観全体の印象が商品等表示として保護されることを示した。しかしながら、本件では、債務者が債権者のフランチャイジーとなることを望んでいながらこれを認められずに債務者表示を使用するに至った経緯等、債務者表示の使用継続を認めることに否定的な事情が表示の類似性以外にあったことも事実である。このような点を加味すれば、必ずしも店舗外観の商品等表示としての保護範囲は広くはないとも考えられる。実際、本件では債権者が表示の構成要素を限定して示しており、ある程度債権者表示を連想させる店舗外観を使用しても、これら構成要素との一致度が低い表示に関しては使用が不正競争とはならないことも十分に考えられる。

 本件は差止めを求めたものであり、債権者表示の経済的評価は直接問題となっていない。すなわち、債権者表示の保護範囲がどこまで及ぶのか必ずしも明確にはなっていないと言える。債権者は本案訴訟も提起しているため、そちらでは、損害賠償額として、債権者表示の経済的価値が明らかになる。その際、本件債務者の営業利益額、商標等のライセンス額に相当する表示の使用料相当額、さらには、債権者ブランドの希釈化に対する損害等、損害賠償額算定の根拠が明確になる可能性がある。これにより、裁判所が本件債権者表示をどのように評価していたかが、より明確になる可能性があり、トレードドレスとしての店舗外観を裁判所がどの範囲で保護しようとしているかがより明確になると思われる。とりわけ、短期間ではあるが、本件命令以前に債権者は立体商標を取得しており、同商標権に基づく主張の有無にも注目が集まる。

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