今日の午後は、島野製作所 vs アップルの控訴審判決など、話題がいくつかありましたが、まず特許情報系の話題から採り上げたいと思います。

NRIサイバーパテントとFRONTEOが人工知能を使った特許検索で協業を開始したとのことです。

 

弊所はNRIサイバーパテントデスク2のユーザーですが、この会社さんはPATOLISの抄録とフリーワードを買い取るなど、提携、買収が好きなようです。

ここの社長さんは、特許情報に関する産業構造審議会の委員にもなっていましたが、特許庁は1次データの提供に徹すべきという、手前勝手な主張を繰り返していました。

 

派手なことを打ち上げて、特許庁に対しては抵抗勢力のように振る舞う。地に足が着いていない会社。正直、ユーザーから見て、この会社に良い印象はありません。

 

NRIサイバーパテントデスク2では、いまだにEP特許がCPCを使って検索できず、US/EP等で英単語のフレーズ検索もできません。提携をぶち上げる前に、他にやるべきことがもっとあるのではないでしょう。

 

 

本題に入ると、人工知能を使って学習し、検索精度を高めて行くシステム。特許庁や企業など技術分野が決まっている担当者にとっては、有力なシステムになるでしょう。このシステムでは、1000件の調査が100~200件のスクリーニングで済むようになるとのことです。

 

しかし、1000件の調査、すなわち無効資料の調査等では、通常、特許庁が見つけられなかった文献を見つけ出す必要があります。

そうすると、学習したAIが見つけてくる文献は、特許庁の審査で見つかったものと近くなるのではないでしょうか。

 

無効資料は、本願や一般に使われる言葉とは少し違った表現で書かれていることも少なくありません。このようなう文献は、AIの検索で下位になるかもしれません。こうした文献を探すには、技術や審査基準等を熟知した人間が行うのが効率的でしょう。

 

また、特許事務所や特許調査会社の場合、毎回案件も技術分野が異なりますので、AIによる学習が十分できない場合もあります。すなわち、特許庁や企業とは事情が異なります。

 

特許庁も審査の一部へ試験的にAIを導入すると言っています。そうすると、審査ではAIを使って短時間で効率的な調査を行い、特許庁が見つけらなかった無効資料については、特許分類や技術的知識をフルに動員して、時間をかけた調査を行う。このようになって行くのではないでしょうか。

 

https://www.nri.com/jp/news/2016/161026_1.aspx

NRIサイバーパテント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:高野誠司、以下、「NRIサイバーパテント」)と、人工知能(AI)を駆使したビッグデータ解析事業を手がける株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本正宏、旧UBIC、以下「FRONTEO」)は、NRIサイバーパテントが提供する特許情報サービス「NRIサイバーパテントデスク2」と、FRONTEOが提供する人工知能による特許調査・分析システム「Lit i View PATENT EXPLORER(以下、「PATENT EXPLORER」)」の連携により、特許調査におけるAI活用の促進を目指す協業を開始します。

国内だけでも、年間約30万件行われている特許の出願手続きに代表される知的財産分野においては、膨大な文献を対象とした調査、分析に多大な労力と、高い専門スキルが求められています。

今回の両社の取り組みでは、高度な検索機能と多彩な閲覧機能を持つ「NRIサイバーパテントデスク2」と、FRONTEOが独自に開発した人工知能「KIBIT(キビット)」により特許の調査・分析作業を効率化させる「PATENT EXPLORER」の2つを連携させることで、先行技術調査や無効資料調査など、調査・分析作業の効率化を実現します。この連携を活用した業務イメージは、以下の通りです。

  • (1)「NRIサイバーパテントデスク2」による文献の絞り込み
    「NRIサイバーパテントデスク2」のキーワード検索などの多様かつ高精度な検索機能を用いて、膨大な特許文献から調査・分析対象となる文献の絞り込みを行います。
  • (2)「PATENT EXPLORER」による特許文献のスコアリング
    (1)で得られた文献の中から教師データを指定し、人工知能「KIBIT」で関連度の高さ順にスコア付けを行います。この場合の教師データとは、無効にしたい特許に係る特許公報など、調査の対象となる特許文献(もしくは発明の特徴を明確に列挙したテキスト)です。
  • (3)「NRIサイバーパテントデスク2」による特許文献のレビュー
    (2)でスコア順に並べ替えられた文献を、「NRIサイバーパテントデスク2」が搭載する多彩な閲覧機能を用いてレビューします。

これにより、例えば1,000件の特許文献調査に際して、「PATENT EXPLORER」によるスコア付けを行うことで、上位10-20%(100-200件)の文献調査に注力できるなど、調査効率の大幅な向上が期待できます。また、スコア付けされた結果のフィードバックを行うことで、人工知能「KIBIT」が再学習を行い、より精度の高い結果を導くことが期待できます。