米国特許情報を無料で検索しようと思った場合、まず思い浮かぶのが、USPTOの検索サイトです。
以下のHPにより、米国特許および公開公報、再発行特許(Reissue)、意匠特許、植物特許の調査が可能です。
他に、譲受人の名義変更も、USPTOへ届け出がある分については、Assignments on the Webで調査可能です。
http://assignments.uspto.gov/assignments/q?db=pat
ただし、日本の特許法と違って、米国特許権の譲渡は登録が効力発生要件ではなく、対抗要件である点に注意が必要です(日本の著作権法にやや類似)。
USPTOのここが○
1.無料で1976年から公報全文のテキスト検索ができる。
2.特許番号がわかれば、1790年から現在まで、公報イメージデータを見ことができる。
3.公報発行時ではなく、最新のUSPCで遡及検索ができる。
4.半コマンド形式のため、複雑な検索式が組みやすい。
5.出願日や優先権主張日など、書誌事項の検索も充実している。
6.意匠特許や植物特許も収録されている。
7.年金納付状況確認や包袋閲覧も可能。
8.不十分ながら、リーガルステータスも調査可能。
USPTOのここが×
1.全文検索はできるが、近傍検索ができないので、ノイズが多くなりがち。
2.検索式の長さに上限があり、同義語、類義語をすべて入れるとエラーになる。集合演算もできない。
3.登録系と公開系が別の入力になっており、同時に検索できない。また登録系と公開系のダブりを除くこともできない。
4.公報PDFが用意されておらず、TIFFイメージで1ページずつ公報内容を見なければならない。
5.(日本の)昼間は、日本や中国のユーザーが、夕方は欧州のユーザーが、夜は米国のユーザーが使用しているため込んでおり、いつも動作が遅い。
6.トランケーション機能にバグがあり、" "内にワイルドカードを使っても無視される。
7.単語の形変化を自動で識別してくれないので、ワイルドカードを使って、自分で指定する必要がある。
8.ファミリー情報は収録されていないので、USPTO上では、日本語ファミリーで内容を確認することはできない。
9.出願番号で検索する場合、"/"より前の年代記号(12/,11/,60/など)を指定することができない。
無料で米国特許を検索でき、便利なサイトですが、色々と制限もあります。
有料データベースではできない事項について、USPTOを補助的に用いる使い方が良いように思います。