Total Patentはレクシスネクシスが提供する海外特許データベースです。
http://www.lexisnexis.jp/products/totalpatent.aspx
レクシスネクシスは、lexis.comなど法律データベースの大手ですが、TotalPatentは同社初の特許DBになります。
このデータベースは、機械翻訳を駆使し、独仏語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語、中国語など英語以外の公報を検索できます。この点がTotalPatent最大の売りになります。
なお、私はTotalPatentの試用経験はありますが、ユーザーではありません。
TotalPatentのここが○
1.機械翻訳英文データにより、30ヶ国の全文検索が可能。BRICs全てを全文検索できるのはこのデータベースのみ。
2.書誌情報も含めれば、100ヵ国の特許情報を収録。特許DBで最大。
3.米国提訴情報も収録されている。この辺は、法律系DB大手ならでは。
4.セマンティックサーチという概念検索も用意されている。
5.年間固定料金のため、追加費用を気にせず使用できる。
6.公報PDFがサーチャブルPDFのため、公報PDF内のテキスト検索が可能。これは珍しい。
7.近接演算やトランケーションなど、外国DBとして必要な機能はほぼ備えている。
TotalPatentのここが×
1.ユーザインタフェースがこなれておらず、とても使いにくい。
2.(トライアル当時は)履歴機能に不備があり、常に最新の集合が最も小さな番号になる。そのため、集合演算(履歴間演算)を行うことが非常に難しい。
3.キーワードを機械翻訳で英語に変換した際、同義語が正しく網羅されているのか、不安がある。もっとも、これは他の機械翻訳DBも同じ。
4.原則、1名につき1IDが必要で、IDの共有ができない。そのため、実際の利用料はかなり高額になる。
5.ファミリー情報は、INPADOCDBではなく独自情報なので、信憑性にやや不安がある。
法律系DB大手が、初めて特許DBに参入したサービスであり、完成度の低さも目立ちます。
ですが、BRICsなど新興国の検索ニーズが増していますので、TotalPatentは今後が楽しみなデータベースだと思います。