信州読書会

長野市で読書会を行っています


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2017.7.28に行った

カーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』読書会のもようです。

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私も書きました。

『気の触れた夏を、生きのびて』

「あたしたちはみんな、多かれ少なかれ閉じ込められているんだ。あたしたちはそれぞれいろんな具合に生まれてくるんだが、それがどうしてなのかはわからない。でもいずれにせよ、あたしたちは閉じ込められている。(中略)そしておそらくあたしたちはみんなもっと広いところに飛び出して、自由になりたがっているんだろう。しかし何をしたところで、あたしたちはやはり閉じ込められたままだ。」P236

この世に生まれてきたのは、車の衝突事故みたいなもので、国家と「あたしたち」の多重玉突き事故を、ジャン=ジャック・ルソーは『社会契約』と名づけ、運転者のみんなの意志を「一般意志」と名づけた。生まれた場所と、生まれてしまった「あたしたち」との出会い頭の事故が、人の一生を強く支配している。

ひょっとすると、岡本かの子の『鮨』の「ともよ」も、あの夏を、湊のおかげで生きのびたのかもしれない。

ともよは、自分自身を杭根のように感じた。そして福ずしの常連客を、彼女の杭根の苔を食む、鮒のように考えていた。常連客の湊だけが、鮒ではなく、一風かわった髑髏魚だった。湊だけが、ともよの杭根の刺さっている力を見つめていた。ともよは、湊に見つめられると『自分を支えている力を暈(ぼか)されて危いような気がした』 

べレニスを脅したナイフ(P75)の刺さっている力は、この杭根の内部の力と同じものだ。しかし、ベレニスの義眼では、フランキーの支えている内部の力を、捉えきれない。

没落した旧家に生まれるのは、生まれる以前の根源的な意志の要請だ。

湊は母の握る鮨によって、生きのびた。

南部の旧家の血を引くフランキーには、鮨を握ってくる人はいなかったし、そもそも本当の母親が、この世界の何処かにいるという着想すら持ち得なかった。その代償として、フランキーは、あれほどまでに「結婚式のメンバー」という着想に固執したのだ。旧家の没落のトドメとして、従兄弟のジョン・ヘンリーが連れらされたので、フランキーは生きのびた。

(おわり)

ツイキャスで行った読書会の音声です。





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