入院一日目。



心拍停止の診断後、
普通に仕事に行った夫が
上司に促されて休暇を取り、
荷物を届けてくれた。


病院では、
子宮口を広げる処置をするという。


子宮口は、ラミナリアという棒を何本も入れて広げる。見た目は昆布を爪楊枝状にしたものだ。


ラミナリア

昆布の茎根が原材料。子宮口に入れると、自然とラミナリアが広がるため、子宮口を開く処置に使われる。


ブログで、すごく痛いとあったので覚悟して挑んだ。



妊婦健診と同じ内診台に上がる。

予防「エコー見ますね。赤ちゃんの心拍ないですね」

予防「それでは、処置していきます」


やっぱり赤ちゃんの心拍は動いていなかった。

ありえないことと分かっていても、
どこまでも奇跡を期待していた。



カーテンの向こう側で、
ラミナリアを入れられる。

激痛が走る。

「いっ…」

痛さに
つい言葉が出る。





あぁ…

私は赤ちゃんが亡くなったのに

この診察台で

子宮口を広げる処置をしている…


赤ちゃん…




考えると涙が溢れた。

カーテンが閉まっているから、
声を立てずに泣いた。


予防「痛さは大丈夫ですか?」

ふいにカーテンが開き、
号泣してるのに気付かれ
ティッシュをもらった。


予防「まだ入りそうだね、エル2本…」

医師と看護師のやり取りが聞こえる。


早く終わって…!

まだ続くの?

痛い!もう終わって…!


ラミナリア9本入れて、
脱脂綿を入れられ
1回目の処置は終わった。




その後も少し痛かったが、
処置の方が痛かったので
大丈夫だった。


この処置の前、
痛いのが怖かったので、
看護師さんに
痛み止めの処置はできないか
尋ねていた。

でも、何もなかった。
局部麻酔や痛み止めを飲むなどの
緩和ができればよかったのに…

やってくれるところは
やってくれるらしいから、
病院によるのかな…