入院患者さんから当院職員への暴言があり、看護師さんから報告が来ました。肺癌末期の患者さんで独居です。食欲低下で入院となりましたが入院後食欲は改善しました。施設入所の待機中です。

 

状況を確認します。看護師への暴言ではなく看護助手さんへの暴言です。大声をあげて怒鳴り散らすそうです。状況把握のため当時の状況を確認しました。お茶の配膳時、本人は「今すぐ飲まない」と言ったので後から飲むかもことを考えて机に置いたそうです。その時に・・・

 

「いらないって言っているだろー!」と大声をあげたそうです。

 

看護師さんから見ても理不尽な態度だったそうです。その看護助手さんは内向的な性格ですがいままで他の患者さんからクレームが入ったことはありません。

 

私がベッドサイドに行き、本人と話をします。「看護師さんから大声で怒鳴ったと報告が来ました。態度の悪い職員っていますか?」とききました。まずは本人の解釈を確認します。

 

「あの職員がいらないと言っているお茶を机に置きやがったから・・・」と言われました。

私は、「それでも大部屋で他の患者さんもいるので大声で怒鳴るのは止めてほしい。職員は皆、〇〇さんがよくなるように頑張っているのですよ」と諫めました。「気に入らない態度があれば私に教えてください」と伝えました。私に対しては特に暴言を吐くことはありません。

 

その場では「わかった」と答えてくれます。しかし数日するとまた同じ職員に暴言吐きましたと報告がきました。再度ベッドサイドに行き「看護助手の〇〇さんは私が信頼している仕事のできる人なのです。 暴言はやはり集団生活している病院では困ります」と説明しました。しかし、また数日すると同じ事の繰り返しです。

 

諫めても暴言が改善しないため職員の合同会議を開きました。私、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士、社会福祉士が集まっての会議です。全員が強制退院を希望しました。3度注意しても改善が無いので仕方がありません。

 

「〇〇さん、ゴメンね。3回注意しても改善が見られないのでこのまま入院の継続は難しい。退院して外来に通院してほしい。」と伝えました。「わかってはいたんだけどね。カーッとなるとつい・・・ そろそろ強制退院と言われると思っていたよ」とのことです。元々の性格なのでしょう。「私にも職員を守る義務もあるのでね。暴言は自分の選択肢を狭くして生きにくくなるからね」と再度諫めました。退院に同意したので即日退院となりました。