政府が主導して医師の勤務環境改善、それに伴い医療機関に求められる取り組みの総称です。2024年4月1日から施行されることになっています。

 

最も重要なのは「時間外労働の上限規制」です。「1日8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならない」とあります。これを超える場合は36協定の締結・届け出が必要となります。一般企業ではすでに施行されていますが医師は2024年4月からの施行です。尚、36協定を締結しても労働時間は月100時間未満を遵守しなければいけません。また連続28時間を超える労働も禁止です。

 

ここで「自己研鑽か労働かの線引きは?」 「オンコールの扱いは?」 「当直の扱いは?」ということが問題となります。

 

まず自己研鑽については「強制されず自由意志に基づいて行われる学会発表などはその準備も含めて労働とはならない」そうです。強制される場合は労働時間となります。研修医が上級医にNoと言える環境が必要ですね。

 

オンコールとは自宅待機時間ということです。緊急で呼び出された場合、病院に駆けつけます。基本的にアルコールが飲めない、病院から遠く離れることができないなどの制限を受けます。「頻繁に呼び出されたり、必ず駆けつけなければならない時間制限があるなどオンコール中の自由利用が認められない場合は労働時間と算定されることがある」とあります。あいまいですね。

 

当直については頻繁に呼び出されない(いわゆる寝当直)場合は労働基準監督署に届け出ることで労働時間規制の適応除外とすることが可能とのことです。寝当直かどうかの判断もあいまいですね。

 

果たして24時間365日救急を受け入れている病院でこの制限を受けた場合、救急体制を維持できるのかは疑問です。

 

日本救急医学会は医師の働き方改革の施行にあたり要望書を厚生労働省に提出しました。どこかの病院で救急体制が崩壊するかもしれません。

 

当院は定数4の医師数に対し常勤医2名です。医師の働き方改革に関わらず医療崩壊寸前です。