久しぶり、旅に行こうよ 15 最終話 | Blue in Blue fu-minのブログ〈☆嵐&大宮小説☆〉

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嵐、特に大野さんに溺れています。
「空へ、望む未来へ」は5人に演じて欲しいなと思って作った絆がテーマのストーリーです。
他に、BL、妄想、ファンタジー、色々あります(大宮メイン♡)
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ピピピ…

 

ピピピ…

 

ピピピ…

 
 
………う…
 
…うるせ…
 
鳴り続けるスマホをひっ掴んでアラームを解除する。
 
うー…
 
重い瞼をぼんやり引き上げれば、見慣れないモノが目に映る。
 
木目の天井、開いたままの和柄の襖、緑色の畳、真ん丸の窓…
 
 

「…………お!」

 

 

そっか、京都だ。

 

…なんか、明るくね?

 

 

隣の部屋から零れて溢れた光の粒が、開いた襖からこっちまで遠慮なく押し寄せて、おれらを光のキャンバスみたく四角く切り取とってる。

 

キラキラ キラキラ…

 

ほんで、にのだ。

 

キラキラの光に包まれて、白い顔キラキラ光らせて眠ってる、腕の中のにの…

 

すぅすぅ寝息を立てるやらかい体をそっと抱き込む。

 

 

んふ、暖ったけー…

 

ぎゅっと抱きしめれば無意識なのか、スリスリ、胸にでこを押し付けてくる。

 

寝る時はぜってー背中向けるくせに、起きた時は必ずこっち向いてんだよな。

 

顔見たくて、ちょっとだけ体を離す。

 

真っ白いほっぺにふんわり閉じた瞼、眉毛がふわふわで、唇もふわふわ緩んでて、笑ってるみたいで。

 

 

朝一でこんな気ぃ抜けた寝顔、眺められるなんて最高じゃね?

 

あ…

 

ふと思い出して前髪をそっと持ち上げる。

 

よかった。

薄っすら赤味が残ってっけど、まさかキスマークの名残りだとは思わねぇだろ。

 

着崩れた浴衣の胸元から覗く鎖骨の辺り、まだクッキリと残ってるおれのシルシ。

 

ここは外からは見えねぇし、毎度のことだし怒られねぇよな。

 

あ…

 

怒るっていえば、昨夜、ふくれっ面しながら泣いてたよな。

 

おれ、何かヘンなことゆったっけ?

 

んー………、ゆってねぇ。

 

腹が減り過ぎてたのか?

その割にはあんま、喰ってなかったけど。

 

…ヤり過ぎか?

 

それは、自覚あるけど。

 

でもっ!にのだって、あんあん…

 

ピピピ…

 

うぉ!!

 

再び鳴り出したアラームを慌てて止める。

 

5分置き設定って。 多分マネだ。

 

もー、にの起きるじゃん。

 

『くれぐれも乗り遅れたりしないように…』

 

くどくど繰り返してたマネの不安げな顔が浮かぶ。

 

わかってるよ。起きるよ。

 

『決して二宮さんにムリさせないように…』

 

…わ、わーってるよ…

 

『二宮さんは夕方から取材が入ってますので…』

 

わーってるってばっ!!

 

くそ、もう10時か。

あんまのんびり出来ねぇな。

 

可哀相だけど、起こすか。

 

「…にの、朝だぞ。起きろ」

 

うーん…

 

「起きろー…」

 

肩をゆるゆる揺する。

 

「…や、も、だめ…」

 

くぐもった甘い声。

 

…………/////。

 

眉間に工ッ口いシワ作って、どんな夢見てんの?

 

うーん、ってコロンと寝返りしてあっち向いたけど、両肩モロ出しだし布団蹴った足は太腿まで丸見えだし。

 

浴衣、最強だな。

 

こんなにの、目の前に置かれたらさ…

 

………仕方なくね?

 

新幹線は13時。

 

あー、露天も浴衣も捨てがたい。

 

どっち!

 

時間的にも、にのの体力的にも一発だよな。

 

久々、真剣に悩むこと2分。

 

………おし、外だ!

 

天気いいし久しぶりの露天だし。

 

「にぃのぉ、起きないなら、こんまま風呂、連れてくぞー」

 

匂い立つようなうなじに熱っつい吐息ごと囁く。

 

「んー…、ふろ…?」

 

寝惚けたにのがピクンと震えて、ゆるゆる両手を伸ばしておれの首にしがみつく。

 

了承ってことだよな♪

 

ウホウホ一気に目が覚めて、白い体に紺色の布切れ纏ったみたいなヤらしいカッコのにのを抱える。

 

まるでコアラみたいに両脚絡めてくるけど、この後自分がどんな目に合うか分かってねぇんだろうな。

 

「……う…、ん、んん?」

 

あ、起きそう。

早いとこ湯の中に入れちまお♡

 

「えっ、え? ちょ、大野さ…」

「はよっ♪」

「待っ…」

 

文句垂れそうな口をガバッと塞ぐ。

 

ニマニマのおれのそれで。

 

 

 

 

 

んで、久しぶりの旅、久しぶりの露天でにのを思い切り堪能した♡

もちろん、にのにも思い切り堪能させた♡♡

 

後でバシバシ叩(はた)かれたことは言うまでもない。

 

ま、これも思い出。

 

 

 

 

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ギリで乗り込んだ新幹線。

予想通りプンスカのにのは、全然口利いてくんない。

 

ずっと窓向いたまま。

 

 

…昔はさ、逆だったじゃん。

 

気分屋のおれのあとずっとくっ付いてきて、おれがどんなにぶー垂れた顔しててもへーきで 大ちゃん大ちゃん ってさ。

 

 

最後は根負けして小っこい頭グリグリして、あー、おまえうぜぇなーってくすぐり倒したりしてさ。

おまえ、ヒーヒー笑いながら、ゆるしてー、って。

 

「んふ…」

 

つい思い出し笑いしたら、冷えた目が振り返った。

 

「楽しそうですね…」

 

冷たい声。

 

あの頃の可愛いおまえはどこ行ったんだ?

 

「…悪かったよ」

「今日、これからお仕事なんですけど」

「だから、ごめんって」

「めっちゃカラダだるいんですけど」

「だってよー、おまえがそばに居たら手を出すのっておれの習性みたいなもんだしよー。第一おまえだって、あんあん…」

 

パシッ!

 

「当分ナシですから」

 

…当分。

 

んへ、んじゃ、またそのうちな。

 

叩かれたのにヘラリと笑ったおれに再び氷のような視線を投げて、にのはまたプイッと窓を向いた。

 

でも、耳とか、その後ろ、薄っすらシルシが残ってるとことかがほんのり色づいたから、良しとしよう。

 

 

 

 

 

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― まもなく品川ー、お降りの際はお忘れ物の無いよう…

 

 

……う…ん

 

アナウンスで目が覚める。

眠ってたらしい。気付けば毛布が掛けられてた。

 

 

あの小太りの乗務員のおばさんかな。

 

 

にのも背中向けたまま、毛布に包まってる。

 

「…起きた?」

「…とっくに」

 

声を掛ければ素っ気ない声。

でも、毛布の下、ゴソゴソ引っ張り込んだ柔い手が解かれないから多分もう許してくれてる。

 

徐々にスピードを落とす新幹線。

 

もうすぐ、停まる。

旅が、終わる。

 

知らずにため息が漏れた。

 

また、日常が始まる。

巻き込まれ流されるだけの、どこか現実離れしたおれらの日常。

 

あの日、18と15の二人はこんな未来を望んでたんかな。

こんな、わけ分かんない想像を遥かに飛び越えちまった未来をさ。

 

にのの頭越し、今にも泣き出しそうな曇った空を見る。

ほんの数時間前、明るい空の下、温ったけぇ湯の中で抱き合ったこともウソだったんじゃないかって思えてくる。

 

 

全部、全部幻だったんじゃないかって…

 

 

「何、しょぼい顔してるんすか」

 

いつの間にこっち見てたのか、にのがボソッと呟いた。

 

「…え?」

 

「人のこと、散々喰いまくっといて、そんなつまんない顔すんのやめてもらえないすか」

 

「別に、そんな…」

 

隠れた指がギュッと握られて。

 

「いつもみたいに、あー、キモチよかったって、腑抜けた顔しなさいよ」

 

チロリとおれの好物の上目遣い。

 

「…よっ、よかったよ。最高だった」

 

情けない上ずった声。

 

んな顔すんなよ。ダメだろ。こんな外で。

 

柄にもなく照れたおれを見て、満足そうなしたり顔。

 

「また行けばいいじゃない」

「…へ?」

「四十になっても五十になっても行けるでしょーよ。ずっと一緒なんだから」

「…二人で?」

「やならイイです。誰か他の…」

「や、や、行く。ぜってー行く!」

 

ふふっと、これも大好物のキレイな笑顔。

 

にのはそのままゆっくり視線を落とすと、

 

「でも、その頃はあなた、もうオレなんか喰いたくないかもね…」

 

なんて頼りなく小さく零すから、仕掛けられたと分かっててもついムキになってしまう。

 

「いやいや、喰うから。ぜってー喰うから。なんなら、今からでも…」

 

パシ…

 

「ばか」

 

優しく優しく叩かれた。

 

 

 

 

あの日の無邪気な天使は、魅惑の堕天使となっておれの隣に降りて来てくれた。

 

今じゃ罠仕掛けまくりの可愛くておっかない魔女になりつつあるけど、どうやらずっと一緒にいてくれるらしい。

 

今よりもっと丸まった背中を2個並べて、えっちらおっちらあの竹の道歩くんも悪くねぇな。

 

なんて未来を、おれに抱かせてくれるくらいには。

 

 

 

 

 

プシューと音たてて、新幹線が停まる。

 

いつものように帽子とマスクを装備してホームに降り立つ。

目線落としてスタスタ歩いて、出迎えてくれてるはずの場所を目指す。

 

単純なおれはすっかり元気になって、次は海外にでも飛ぶか、なんてニヤニヤ妄想を膨らませてたら、

 

「大野さん、ほら、あそこ」

 

隣のにのに肘で突かれる。

 

「あ、昨日の…」

 

視線の先に、おれらを高校生に間違えたぽっちゃりおばさんがいた。

相変わらずのパッツンパッツンの紺色の服着て、券売機の前に陣取って獲物を探してる。

 

ほんの一日前のことなのになんか懐かしくってガン見してたら、ばっちり目線がぶつかった。

 

遠目でわかるほどに、おばさんの目が見開く。

 

「ああーーっつ!」

 

同時に口も大きく開いて、

おれらを指さしながら、こっちに向かってくる。

 

「あ、やべ」

「あなたがガッツリ見てるからだよ、ほら、行くよ」

「焦んなくても、追いつかれやしねーよ」

 

だって、あんな丸っこい体でドタドタ…。

 

「な?」

「ふふ、確かに」

 

「はあ、ちょっと、そっ、そこの二人、ま、待って!」

 

走ってんだか転がってんだか。

 

マスクの下、笑いながら外に出て昨日車を降りたガード下に急ぐ。

 

すでに待機してる2台のワゴン車。

 

「んふふっ、あー苦し」

「ふふっふふっ、もー」

 

収まんない笑いに若干呼吸困難になりかけて、ようやくマスクを取っ払う。

 

「はぁ……」

「ふふ……」

 

一瞬、見つめ合う。

 

「…じゃあな」

「…うん」

 

って、離れ離れになるワケじゃあるまいし。

 

だから、涙目は笑ったせいだから。

 

「大野さん、早く乗ってください」

「二宮さん、ギリです。急いでください」

 

後ろからそれぞれのマネが、「なに、浸ってんだよ」的な半分呆れた声を出す。

 

「んはは」

「ふふふ」

 

もっかい笑って、軽く手を振っておれらは車に乗った。

 

それぞれの車が動き出す。

日常が動き出す。

 

 

日常と呼ぶには、ちょっとハード目だけどもな。

 

 

 

 

同じ時代に生まれた奇跡、出逢えた奇跡、並んで歩ける奇跡。

 

 

そして、同じ未来を目指せる奇跡。

 

 

あの日の二人が思い描いていたのとは、大分違うかもしんない。

 

 

でも、いいんじゃね?

 

 

取り敢えず、一緒だし。

 

 

 

また、明日逢えるし。

 

 

 

また、旅に行けるし。

 

 

 

また……、 ふへ♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おしまい。

 

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