※文字数オーバーで投稿失敗になっちゃうので、同日1分遅れで④-2と分けてアップします。
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25日(日)クリスマス
バイト最終日。
朝起きて外を見ると、一面真っ白だった。
「ホワイトクリスマス…」
天気予報によると、この雪は断続的に深夜まで降るそうな。
ホワイトクリスマスなんぞ今までで全く興味もなかったが、今日だけはサンタクロースからのエールな気がした。
「あぁ、なんか緊張してきた。」
『どうしたんですか??』
「わ、お疲れ。いたの?いつから。いきなり現れるとか怖いわ~。」
『ちゃんと声掛けてから入りましたよ?そしたらあなたが神妙な顔して何か呟いてるから…』
「そうなの?全然気が付かなかったわ。」
『今日で終わりですね。私、あなたと一緒でよかったです。楽しかった。もう少し一緒に働いていたかったけど。ありがとうございました!』
「そうですなぁ。俺も思ってたよ、同じこと。」
「『あの』さ」
2人の言葉が重なった。
「ふふ。ありがちw。いいよ、後で言う。ほら、もう時間。」
『あ、本当。行きましょうか。』
「ん。」
俺は決めていた。
今日の目標個数を売ることができたなら、君の連絡先を聞こうと。
外に出ると雪がチラついていた。
『また雪降ってきましたね。きれい。』
「サンタがさ、頑張れって言ってんだよ、きっと。」
『素敵ですね。じゃ、頑張らなくちゃ。あ、いらっしゃいませ!』
君のキラキラな笑顔。今日で見納めになるのか、これからも見れるのか。
俺の頑張りと運次第。…神のみぞ知るってか。
『いらっしゃいませー!』
俺は心からの笑顔で必死にケーキを売った。
「頑張ってるね、サンタクロースくん。あと少しだから、よろしく頼むよ。」
店長は俺に声を掛けたあと君の所へ行き、君は店長と共に店の中へと入って行った。俺は仕事の話だろうと気にも留めずケーキに100%の笑顔を添えた。
気付いた時、隣のサンタクロースは君ではなく他の人に変わっていた。
あれ⁉︎どうしたんだろ。何かあったのかな。
「すいません。このケーキ下さい」
気にはなったが、お客さんに話しかけられ接客へと戻った。
「あ、はい。こちらですね。ありがとうございます。」
「お待たせ致しました。お気を付けてお持ち帰り下さいませ。ありがとうございました!メリークリスマス!」
丁寧に頭を下げ顔を上げると、さっきまで隣にいたサンタクロースが俺の目の前を私服で歩き去って行った。
え⁉︎なんで⁉︎⁉︎
俺は店の中へ行き店長を捕まえた。
「店長!あの子は?あの子どこ行ったんすか⁉︎」
「へ?あぁー。もう上がったよ。」
『え?なんで?今日は9時終わりじゃ?』
「採用の時にね、最後の日だけ1時間早く上がりたいって言われててね。そうしないと最終に乗れないとかなんとか。なんか、この街出て□□に行くらしいよ。残念だよな◯△×◯□×…」
店長の話の途中だったが、俺はバイト先を抜け出しさっきまで隣にいたサンタを夢中で追いかけた。
「なんだよ、くそ!まだ何にも始まってないじゃないか。チャンスさえもくれねぇのかよ!」
俺の頭ん中は君の素敵な笑顔でいっぱいで、君の笑顔に会いたい一心で夢中で走った。
クリスマスの夜。街はたくさんの人で溢れかえっていた。
俺は急いでその人混みをかき分けた。
「だって。だって……。」
君に会いたい!!
「このままで終わらせてたまるか!終われないよ…」
どこかにいるはず。きっとどこかに。
あっちか?こっちか??
もう行っちゃったか?間に合わなかったのか?
あ、そうだ!□□への最終っていったら…
俺は時刻を調べた。
…まだ最終まで時間がある。じゃあ一体どこにいんだよ!
④-2へ。