傘かしげ同様、江戸しぐさの中でも有名な
往来しぐさのひとつが、「肩引き」
読んで字の如く、肩を引くこと。
狭い道や混みあった場所ですれ違う時、
肩を引いて体を斜めにして進むと
ぶつかることなくすれ違うことが出来る。
ところで肩引きには向きがある。
江戸は左側通行なので、お互いすれ違う時、
右肩が触れ合うので、右肩を後ろに引いて、
顔と胸が向き合う形ですれ違うことになる。
実は、これは用心しぐさでもあった。
江戸は日本中から人が集まる大都市だから、
無防備に背中を見せるのは危ないから、
顔と顔が向き合う方ですれ違うわけだ。
すれ違う際には、会釈のまなざしで微笑み、
敵意がないことを自然に知らせた。
実に江戸の人々の知恵は凄い。
己を守りながら、いかに他人とうまく付き合うか。
今よりずっと生きるということが大変だったはず
だからこそ、知恵を絞って生き抜いたのだ。
今はもう肩引きする人は本当に少なくて、
こっちが引いてもよくぶつかるし、
ごめんもなければ、にらみかえされることまで。
もったいないなあ~
肩引きすれば、スイスイ進めて気分がいいし、
嫌な気持ちにならなくてもすむのになあ~
でもあきらめてはいけません。
気持ちよいことはみんなきっと好き。
知らないだけのことが多いので、
気がついた人からまずはやってみる。
隗より始めよ 皆さん今日から肩引きどうぞ