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進む航空機製造技術
スバル、川崎重工、東レ 各社の取り組み

2019年7月30日更新
 

 

 防衛装備庁に納入された飛行試験機。操縦席の後方に赤外線センサー、胴体下にデータリンク用アンテナが設置されている(スバルHPから)


 

 川崎重工の岐阜工場に完成した航空機研究開発用の新低速風洞の内部。測定部は縦横3メートルあり、航空機の大型縮尺模型も使用できる(川崎重工HPから)


 

 オートクレーブを使わない「真空圧成形技術」で製造された模擬航空機用部材(東レHPから)

 海外のエアショーに日本製の自衛隊機も出展されるようになり、日本の航空機製造技術への関心も高まっている。各メーカーではより優れた官・民向け航空機を開発するため、試験施設の整備をはじめ、新たな素材やシステムの研究に力を入れている。


<スバル> 小型赤外線センサーなど試作 防衛装備庁から受注

 スバル航空宇宙カンパニー(栃木県宇都宮市)はこのほど、防衛装備庁から受注した「航空機搭載型小型赤外線センサーシステム・インテグレーションの研究試作」の試作機を同庁に納入した。

 スバルは2016年3月に装備庁と契約し、飛行試験機に搭載する警戒監視用の小型赤外線センサー、高度な飛行制御システム、管制向けの地上システムなどを開発。

 この試験に当たるKM2D―1を改修した飛行試験機は・・・

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<川崎重工> 研究開発用に「新低速風洞」最大風速は秒速100㍍

 川崎重工はこのほど、岐阜工場に航空機研究開発用の「新低速風洞」を完成させた。

 風洞は、人工的に作り出した気流の中に航空機の模型を入れ、空力特性などを計測する施設。今回竣工した「新低速風洞」は全長90メートル、幅50メートルの規模で、内部にある測定部は幅3メートル×高さ3メートルの大きさ。従来の風洞(2.5メートル四方)に比べ、より大きな縮尺模型を使用できるようになった。

 最大風速も秒速100メートル(従来施設は同65メートル)となり、実際の・・・

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<東レ> 機体の中間素材「プリプレグ」真空圧成形技術を駆使

 東レは、航空機の機体の中間素材として、高温高圧釜(オートクレーブ)を使わずに高品位かつ力学特性に優れた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成形が可能な「プリプレグ(強化プラスチック成形材料)」を開発した。

 民間航空機の主翼や胴体に使われるCFRP製1次構造部材は、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを多数枚金型上に積層し、オートクレーブの中に入れ、高い圧力を加えながら加熱し、樹脂を硬化させる。

 この「オートクレーブ法」は高性能・高品位のCFRP部材を成形できるが、初期設備投資額が数十億円かかり、部材の製造コスト増の一因となっていた。

 東レは、オートクレーブ法に代わる成形技術として、・・・

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 防衛関連ニュース

<技術が光る(84)>
 水面に浮く避難用施設
「ハウスシェルター」/ダイプラ
 完全防水で1ユニット20人収容

2019年7月30日更新

 

 ダイプラが開発した緊急避難用施設「ハウエルシェルター」。いざという時、水面に浮き、水害から身を守ることができる(ダイプラ社提供)

離島防衛の緊急避難壕に活用も

 〝日本最東端の島〟として知られる小笠原諸島の南鳥島。海自の南鳥島航空派遣隊員や気象庁の職員らが常駐しているが、一辺約2キロの小さな三角形の島の標高は、最高でわずか9メートルしかない。ここにもし、10メートル以上の津波が押し寄せたら――。

 こうした危険な離島や、逃げ場のない沿岸部に勤務する隊員たちの悩みを解決してくれるのが、いざという時、水面に浮く緊急避難用施設「ハウエルシェルター」だ。現代の〝ノアの箱舟〟とも言えるこのシェルターを開発したのが、プラスチックスの総合加工メーカー、ダイプラ社(本社・大阪市)だ。

 同シェルターは土木用に用いる大口径のポリエチレンのパイプを応用して製作されている。一つのユニットは長さ5.3メートル、直径3.37メートルの円筒型となっており、密閉性が高く、水に浮く。上部にハッチがあり、潜水艦に乗り込むように出入りし、最大で20人を収容できる。

 「3メートルの直径があるパイプを大口径と言いますが、ポリエチレン製でこの直径のシェルターを国内で製造できるのは当社しかありません。全長も溶接などの接合で自由に伸ばせるので、さらに多くの人員の収容も可能です」と同社開発本部の日野林譲二本部長は話す。

 ハウエルシェルターは、国土交通省海事局が定める「津波救命艇ガイドライン」の強度基準もクリアしており、実用試験で耐衝撃強度なども証明されている。

 このシェルターは、・・・

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<世界の新兵器>
 第2世代のAPS(イスラエル)
 重量200㌔で軽装甲車にも搭載可能

2019年7月30日更新

 

 飛来する敵弾を破壊または爆風でそらす「アイアンフィスト」の発射装置。重量は200キロ強で軽装甲車にも搭載できる(IMI社ホームページから)

 対戦車火器から戦闘車両を護る「アクティブ防護システム(APS=ActiveProtectionSystem)」開発の先進国イスラエルは、2009年より1000セット以上のラファエル社製「トロフィーAPS」をメルカバ3型・4型戦車、ナメル装軌型兵員輸送車(APC)に搭載してきた。

 2017年、開発を断念した米陸軍もM1A2エイブラムス戦車への「トロフィー」搭載を決めたが、問題は重量だ。軽量の戦闘車両にも搭載したいが、システムだけで820キロもあり、戦闘重量になると2200キロとなる。ラファエル社も中型や軽量型のバージョンを試作してきたが、イスラエル軍にも採用されない。

 そこへ躍り出たのがイスラエル・ミリタリー・インダストリー社(IMI)の「アイアンフィスト」だ。老朽化した米国供与のM113装軌APSに換え、18年からイスラエル軍が配備を開始したエイタン装輪APCに搭載されるという。システム重量は200キロそこそこ。どうしてこれほど軽いのか。脅威を探知・追尾するレーダーと電子光学センサーは同じだが、「トロフィー」ではhit-to-killで敵弾を破壊するから精密な目標情報が必要だ。「アイアンフィスト」では、インタセプターを信管で爆発させて敵弾を破壊するが、破壊できなくても爆風で逸らせるから、さほど精密でなくても良いので軽くて済むという。一兵たりとも失いたくないイスラエル軍は、これを・・・

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陸自15旅団が36機関と災害時対応で意見交換
緊急時の輸送協力確認
(2019年6月7日)

2019年7月30日更新

 

 沖縄県での災害発生時、15旅団部隊の輸送協力について話し合う36機関・企業の参加者たち(6月7日、沖縄県那覇市で)

政府、自治体、輸送会社

 【15旅団=那覇】陸自15旅団(旅団長・中村裕亮将補)は6月7日、政府、自治体、輸送関係の36機関に参集してもらい、那覇市のIT創造館で意見交換会を開いた。

 同会には統・陸・海・空幕、陸空自の9個部隊をはじめ、国土交通省(大臣官房、港湾局)、内閣府総合事務局、第11管区海上保安本部、沖縄県と全日本・九州・沖縄県の各トラック協会、沖縄県倉庫協会、輸送会社など15社から計約70人が出席。「沖縄県内で災害など緊急事態が発生した場合、自衛隊の救助部隊をいかに効率的かつ円滑に輸送するか」をテーマに意見交換を行った。

 このほか、・・・

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陸自中即連で初 財務省職員4人の生活体験を支援
(2019年6月14日~16日)

2019年7月30日更新

 

 中即連隊員の指導を受けながら基本教練に取り組む財務省給与共済課職員(宇都宮駐屯地で)

【中即連=宇都宮】陸自中央即応連隊(連隊長・岩上隆安1佐)は宇都宮駐屯地で6月14~16日、財務省主計局給与共済課職員4人の生活体験を支援した。

 生活体験支援は創隊以来初。1中隊(中隊長・府内博記3佐)を担任中隊とし、財務省の意向を確認し実施課目等を精選して行った。

 参加者は着隊後、戦闘服を着用、基本教練を行った。2日目は早朝の非常呼集に続き、徒歩行進を実施。背のう(約10キロ)を背負い、・・・

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