トップニュース

最新鋭潜水艦「しょうりゅう」艦内ルポ
「鉄のクジラ」に初乗艦
(2019年6月30日)

2019年7月29日更新
 

 

 今年3月に就役した海自の最新鋭潜水艦「しょうりゅう」。〝音のステルス化〟を図るため、船体表面には「防音材」と音波を反射させない「吸音材」がコーティングされている。触ると少しざらざらしていた(6月30日、呉基地で)


 

 「そうりゅう」型の発令所。周囲の壁はスイッチやモニターなど機器で埋め尽くされている

・・・他

 海自第1潜水隊群第1潜水隊(呉)に今年3月に就役した最新鋭潜水艦「しょうりゅう」(2950トン、艦長・阿部純一2佐以下乗員約65人)が6月30日、広島県の呉基地で報道陣に公開された。近年、日本周辺で外国艦艇の活動が活発化していることに伴い、海自はこれまでの16隻から「22隻体制」に潜水艦の増強を進めている。また、女性隊員の潜水艦への配置制限も解除し、今後、「女性潜水艦乗り」も誕生する予定だ。さまざまな改革が進行中の潜水艦部隊の現況を「しょうりゅう」艦内で取材した。(文・写真 石川穂乃香、艦内写真は海自提供)


スターリング・エンジンとは

 呉基地には8隻の潜水艦が停泊していた。潜水艦は日本周辺海域で常に哨戒任務に従事しているほか、洋上での乗員の教育・訓練、さらにドック入りして修理・整備に当たるため、一度に8隻も見られるのは珍しいという。

 隊員の案内で黒い「鉄のクジラ」の群れを眺めながら「しょうりゅう」に向かう。だが、艦番号が消されているため、どれがその艦なのか分からない。ある艦の前で桟橋へと案内される。これが3月に就役したばかりの世界最大のディーゼル潜水艦「そうりゅう」型の10番艦「しょうりゅう」だった。

 海中に潜るための水平の舵が左右に付けられたセイル(司令塔)の後部甲板に進むと、乗員が待っていて、記者が所持するカメラやスマホなど、撮影機能の付いた機材をすべて回収した。これは〝機密の塊〟である潜水艦の内部を撮影させないためだ。これほどまでに秘密がいっぱいの潜水艦とはどんなフネなのか。好奇心が膨らむ。

 潜水艦に乗るには円形のハッチから垂直のはしごを降りなければならない。はしごは・・・

続きを読む

潜水艦の頭脳「発令所」

 潜水艦の頭脳といえる「発令所」は、水上艦で言えば艦橋と戦闘指揮所(CIC)を合わせたような区画だ。潜水艦のシンボルである「潜望鏡」もあった。

 その周囲には艦を動かす操縦席をはじめ、周辺の船舶の存在を「音」で探知するソーナー員の席など、艦の運用にかかわる乗員の座席や多数のモニター、スイッチがあり、その機器の多さに目を奪われた。

 ここにある非貫通式の潜望鏡は、・・・

続きを読む

食事が一番の楽しみ「食堂」

 密閉された空間で長期の任務を強いられる潜水艦乗りの楽しみは、やはり食事だと言う。金田副長も「これしか(楽しみは)ないですね」と笑顔で語る。

 3人いる給養員は、海自のさまざまな艦艇に勤務する給養員の中でも特に腕が良く、乗員に毎日おいしい食事を提供してくれているという。聞けば、潜水艦は(水上艦などに比べ)・・・

続きを読む

音を出さない環境「ソーナー」

 潜水艦は潜航中、まったく外の様子を見ることができないため、「目」の代わりに、「耳」を使って周囲の状況を知る。まさにクジラと同じように「音」で〝外部の様子〟を感じ取るのだ。

 その手段がソーナー(音波探知機)である。潜水艦は船体(艦首や胴体)に着けられたソーナーや、艦尾から後方に長く伸ばす「曳航式ソーナー」を使って洋上を航行する民間船舶や軍艦、そして近くに潜む外国潜水艦を探知する。船はみなエンジンやスクリューにより雑音を発するため、これをソーナーで探知するのだ。その音は船により、どれも異なっている。

 そして有事の際、その音が「敵艦」であると確認されれば、・・・

続きを読む

帰港するまで艦内にカンヅメ 女性乗員誕生に期待

 潜水艦の行動は最高機密であるため、一度出港したら、乗員は家族との連絡もとれない。また、水上艦のように航海の途中に他の港に寄港することもないので、上陸してリフレッシュすることもできない。まさに出港したら、帰港するまで艦内にカンヅメなのだ。

 そんな潜水艦乗りの生活について、金田副長は「潜水艦は水上艦と比較して、乗員同士の距離が近いです。このため非常にアットホームなところが良いところです」と教えてくれた。

 護衛艦は200人以上乗員がいて、広い艦内で各部署に分かれて任務に当たるため、顔を合わせる機会が少ない。しかし、潜水艦は約65人と少なく、アットホームな雰囲気のため、居心地が良いという。

 そして乗員はいずれも優秀だ。潜水艦乗りは海上自衛官でも数パーセントという、限られた人しかなれない「海自のエリート」なのだ。そして厳しい環境で任務を強いられるため、「適性」も必要だ。

 そこで「潜水艦乗りに向いている人は?」と質問すると、「・・・

続きを読む

 

 

 

 防衛関連ニュース

陸自化学学校をOPCW局長が訪問
学校長「指定ラボ認定へ努力」
(2019年6月21日)

2019年7月29日更新

 

 アリアスOPCW事務局長(中央背広)に陸自CBRN対処部隊の装備品を説明する化学学校の隊員(6月21日、大宮駐屯地で)

 【化校=大宮】陸自化学学校(学校長・竹内綱太郎将補)は6月21日、オランダ・ハーグに所在する化学兵器禁止機関(OPCW)のフェルナンド・アリアス事務局長らの訪問を受けた。

 学校の職員がアリアス事務局長らに日本でCBRN(化学・生物・放射線・核)対処に当たる同校の概要や「OPCW指定ラボラトリー」の認定に向けた現在の取り組みなどについて説明。その後、研究棟に案内し、続いて屋外でNBC(核・生物・化学)偵察車や化学防護衣など装備品を展示し、陸自のCBRN対処能力を理解してもらった。

 陸自はこれまでOPCWに化学兵器の専門家として自衛官6人を派遣。1997年の同機関の設立時には・・・

続きを読む

 

 

 

 防衛関連ニュース

米太平洋陸軍司令官、湯浅陸幕長と懇談
原田副大臣も表敬
(2019年7月16日)

2019年7月29日更新

 

 来日した米太平洋陸軍司令官のロバート・ブラウン大将(左)と握手を交わす湯浅陸幕長=7月16日、陸幕長応接室で

 米太平洋陸軍(ハワイ州フォート・シャフター)司令官のロバート・ブラウン大将が来日し、7月16日、陸幕で湯浅陸幕長と懇談した。

 湯浅陸幕僚は今後の日米陸上部隊の関係について「我々の戦い方で、私が着目しているのはグレーゾーン事態への対処だ。そのような面においては、(陸自と)米軍との連携が不可欠。演習においても、さまざまな意思疎通を図りたい」と述べた。

 これに対し、ブラウン司令官は陸幕長に賛意を示した後、「クロス・ドメインを構想した陸自、そして・・・

続きを読む

 

 

 

 防衛関連ニュース

ロシア軍艦艇2隻が宗谷海峡を西進
(2019年7月15日)

2019年7月29日更新

 

 7月15日午後1時ごろ、ロシア海軍の「ナヌチカⅢ」級ミサイル護衛哨戒艇(艦番号423)と「ソルム」級航洋曳船(同MB61)の2隻が北海道・宗谷岬の東北東約250キロの公海上を西方に向け航行するのを海自2空群(八戸)のP3C哨戒機と1ミサイル艇隊(余市)のミサイル艇「くまたか」が確認した。

 この後、2隻は宗谷海峡を西進し、日本海に入った。

 

 

 

 防衛関連ニュース

防大合気道部 盛大に60周年祝う
植芝道主ら160人が出席
(2019年6月22日)

2019年7月29日更新

 

 防大合気道部創部60周年記念行事で記念撮影に納まる来賓、OB・部員ら(6月22日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で)

 防衛大学校合気道部は6月22日、創部60周年記念行事を東京都新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷で開催した。

 昭和52年から平成11年まで、師範として指導に当たった植芝守央合気道道主が「合気道の歩みと現況」と題して講話を行った。

 続く祝賀会には植芝道主、植芝充央本部道場長、磯山博全日本合気道連盟顧問などの歴代師範、大谷宗司、鎌田伸一両防大名誉教授などの歴代部長、西正典防衛省合気道連合会会長や香月智防大副校長・防大校友会副会長などの来賓とOB・現役部員合わせて・・・

続きを読む