私は子供の頃から強くてカッコいいものへの憧れが誰よりもありました。

特に変身ヒーローを見て育った私は自分もそうなりたいと思った。

幼稚園時代から小学校低学年まではウルトラマンや仮面ライダーのように強くて

カッコいい正義のヒーローに憧れ、小学校の高学年になるとプロレスを見始めて

タイガーマスクへの憧れのまなざしを向けるようになる。アニメになると「北斗の拳」

のケンシロウやレイが好きなキャラクターとなった。

 そして中学生になると「ビーバップ・ハイスクール」が人気となり全国にワル時代が吹き荒れる。私も「ビーバップ・ハイスクール」は劇場で全作品を見に行った程である。それからしばらくは憧れのキャラクターは存在しなかったものの今度は海外のアクション俳優に目を向ける。映画「ユニバーサル・ソルジャー」でジャン=クロード・ヴァンダムの華麗なアクションにカッコいいと思った。この作品は「ロッキーⅣ」でドラゴ役で有名なドルフ・ラングレンとのガチンコ勝負が最大の目玉である。

 しばらく日本にそういう強くてカッコいいキャラクターは存在しなかったがドラマ「サラリーマン金太郎」で高橋克典演ずる矢島金太郎が出現する。彼はただ強いばかりでなく、岩の如く立ち向かい自分を慕う者達には「ダチは命だ!!」と叫び必死に現実に向き合っていく姿勢が感動させられる。

 俳優の村上弘明は「仮面ライダー(新)」の主人公・筑波洋を演じ、数年後「必殺仕事人Ⅴ」で仕事人・花屋の政(後に鍛冶屋の政となる)で一躍有名になる。この鍛冶屋の政は「必殺シリーズ」終盤を中村主水を演じた藤田まことさんと支えた。政のキャラクターは「心優しい青年」という設定で仕事人ではあるが彼の中に優しさがありふれてその度に中村主水に「甘いぞ!」と指摘され続けても自分の信ずる正義を貫き通した。

 このように「強くてカッコいいキャラクター」は存在し続けたが、私がこれらのキャラクターに強い憧れを持っていたのは自分がその反対の人間だからだ。自分もそういう人間あるいはそういうキャラクターになりたかったという願望でもあったかも知れない。

 
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