Ⅲ  思惟 断面 アーレント 始点

 

 21 人間相互の疎外の根源としての私的所有。(略)・・・商品交換は共同体が終わるところから始まる (マルクス「資本論1」交換過程) 

 

 思惟1 6/25 ※「パサージュ論 4」(ベンヤミン、岩波文庫)p239

 

 

 

 

 

 

 

22 意識はつねに何ものかの意識である。P26 

 

思惟2 8/14  ※「現象学」リオタール、白水社クセジュ文庫

 

 

 

23 夢は自由を拒否する サルトル  p348 

 

 

 

      思惟3 9/9 ※「知覚の現象学 2」 M.ポンティ、みすず 

 

 

 

 

 

 24 自然状態というのは実は、都市が一時的にまるで解体されたかのように現れる自然状態のことである。P154 

 

 

思惟4 11/29 ※「ホモ・サケㇽ」アガンベン,以文社

 

 

 

 

 25 か弱い向日葵が樫の樹よりも早く成長して早く死にますように、女の理性が形成されるのも男より早い。 ジュリ p30

 

断面1  10/1 ※〇「新エロイーズ 🉁」ルソー、岩波文庫 

 

 

 

 26 憂愁は鍵穴から忍びこんだ。 p40       

 

断面2 6/7 ※「ファウスト第二部」(ゲーテ、岩波文庫)

 

 

 

 

 27 セザンヌの風景は人間がまだいなかった前世界の風景なのである。 P175  

    

 

断面3 9/9 ※〇「知覚の現象学 2」M.ポンティ、みすず 

 

 

 

 

 28 憎悪から虚偽へはほとんど血のつながりがある。 カミュ P205

 

断面4 12/16 ※「カミュ全集5 正義の人々ほか」新潮社

 

 

 

 29a 瞬間とは一行のことだ。その一行を書く方だ難しい。P83 

 29b 宗教性とは瞬間のこと。啓示する瞬間のこと。P87 

 

 断面5 10/1 ※「語る 藤田省三」岩波現代文庫

 

 

 

 

 30 (生きていられる)最後の5分間に何を考えるのだろう。

   自分と同じ考えを明晰に表現した作家が三人いる。

 「白痴」のドストエフスキイ

 「異邦人」のカミュ

 「キリストの生涯」のカザン・ファイス

 

断面6 4/29 ※「ひとりの男」(オリアーナ・ファラーチ、講談社)p67

  〇大岡昇平のたしか「幼年」に、レイテ島で米軍に包囲された陣地での夜に、自分の幼年時代の記憶をできるだけ正確に想いおこそうとした、という印象深い一文がある

 

 

 

 

 

 

31(人間の)ヘンな集中力は普遍性をもつ。   

(鈴木忠志 一演劇人として)

 

断面7 12/18  ※SCOT吉祥寺公演「サド侯爵夫人」(第二幕)

アフタートーク

  

 

 

 

 

 

 

32 「遠くに声 近くには悲しみ

    あれらの声 これらの死」 p237         

 

アーレント1(詩と詩人9) 3/1 ※ 「ハンナ・アーレント 〈世界への愛〉の物語」(ブルーエル、みすず)

〇 1942年秋 アウシュビッツ等の知らせを聞いてアーレントが作った詩の一節

 

33 この容赦ない落葉(or倒木)の過程はゲーテのいうような「現われからの緩やかな退去」ではなく(略)見慣れた顔のある世界が徐々に(というよりむしろ突然に)見知らぬ顔の住む砂漠のようなものに変容するということです。                        

  

アーレント2(断面8) 3/1 「ハンナ・アーレント 〈世界への愛〉の物語」(ブルーエル、みすず)p600

 〇オーデンが死んだ数か月後にアーレントがM・マッカーシーに書いた手紙からの引用

 

 

 34 判断は他の精神的諸力のどれにもまして、他者との関係性のなかで行使される。

 

アーレント3(思惟5) 4/13  ※〇「なぜアーレントが大切なのか」(ブルーエル,みすず)p180  

 

 

 

 

 

35 不正やそして一般に魂の劣悪さが、一番醜いものである。ソクラテス p115

 

始点1 3/12   ※「ゴルギアス」(プラトン、岩波文庫)

 

 

 

 36 「アダムが耕し、イヴが紡いだとき         

だれがジェントルマン(領主)であったか。」ジョン・ポール                       

   

 

始点2 8/27 ※「千年王国の追求」コーン、紀伊国屋 p205

〇イギリス農民戦争時のジョン・ポールの有名なことば。

〇共産主義的な主張の最初の力強い宣言のように思えるが、コーンはセネカの影響を指摘する    p200-7

    セネカ「天下の万物は共有にすべき」

 

 

 

 

 37  サヴォナロラ  20歳の時の詩    

      「世の破滅」     p137   

   全世界は、顛覆せり、

  全ての道義善美はあとを絶ち、

  何処にも輝ける光なく、

  人は罪を犯して罪を恥ずるの心なし。

  “掠奪して生きるものと、

  他人の膏血を吸う者とははびこり、

  救を求むる寡婦と嬰児とよりうばい、

   貧者を破滅につきおとす者は横行す。  

   (下略)

  〇若い時、ヴァージルの一節を愛誦したという p137

「ああ、この残忍の国を去らんかな、この貪婪の浜辺より遁れんかな」

 

始点3 4/12 ※「ミケルアンジェロ」羽仁五郎 岩波新書

 

 

 

 38 自由とは何よりも嘘をつかないことである。虚偽が栄えているところには、圧制が現われ、居すわる。P207(「正義と憎悪」) 

 

始点4 12/16 ※「カミュ全集5 正義の人々ほか」新潮社

 

 

 

 39 誰がそれを実行しなくても俺がやるのだというカントの「定言的命法」は必要だろう。

 

始点5 10/1 ※「語る 藤田省三」岩波現代文庫、P60

 

40 日本の伝統というのは今からつくるものだと思っています。(笑)~伝統をつくる場合の尺度は世界からとってくるべきだ!

 

始点6 11/17 ※「藤田省三 対話集成2」みすず、p17 

 

 

 

 

 

41「何て野蛮なの。私はベトナムに行ってたからはっきり言える。この国の新聞は何てひどいの!小心で憤激する力もない。オリンピックも何もあったものですか。」 ファラーチ 

 

始点7 9/29 ※「トラテルロコの夜 メキシコの1968年」

   エレナ・ポニアトウスカ、藤原書店 p406-7

 〇ファラーチは前にも引用したイタリア紙の特派員。

 学生の集会を取材中に銃撃される。「撃たれて自分の血の海のなかに49分もつかってそのままだったの」p507-8  オリンピックの10日前の虐殺だった。