幼稚園に勤務していた若いころ
年少組の子どもたちに何度も読んだ
『いやだいやだ』『あーんあん』
せな けいこ /さく•え 福音館書店
いやだ いやだって ルルちゃんは いうよ
なんでも すぐに いやだって いうよ
それなら かあさんも いやだって いうわ
いくら よんでも だっこしない
(文中より)
せな けいこ /さく•え 福音館書店
ほいくえんに いくのは いいけれど
かあさんが かえっちゃ いやだよー
あーん あーんと ぼくが なけば
わたしも いっしょに あーんあん
それなら ぼくも あーん あん
みんな そろって あーん あん
(文中より)
「いやだいやだって いっちゃ
ダメだよね〜」
「そんなに ないちゃ
いけないんだよね〜 」と
まるでお兄ちゃん、お姉ちゃんみたいに
言うんだけど
あれ?
今朝、園にくるとき泣いてたの
誰だっけ〜〜〜
「泣いたっていいんだよ」
「やだやだって、時々なら
言ってもいいよ」って
答えた気がするけど
••••••••••••でも
「泣かないで」
「やだやだって言わないで 」
っていう気持ち、バレてたかな〜
せな けいこ /著 文藝春秋
現実の子どもの世界は、きれいごとではすまないことばかり。
「にんじんキライ!」
「ブラシもしない!」
「ぜったい寝ない!」
「いやだいやだ!」
そんなふうにね。
子どももけっこう大変ね。
思い通りにならないことがいっぱいある。
でも、その頃の子どもの絵本は、「かわいくまとまっている」ものが多かった。「みんななかよし」「あの子もこの子もみんないい子」みたいにね。
子どもにしてみたら、そんなのは本当じゃない。だから「これはぼくだ」「この子は私だ」と思ってくれるものを、つくりたかった。お母さんがよろこぶ本ではなくて、子どもが「自分だ」と感じる本。
(『ねないこはわたし』文中より)
絵本の中のこの子が
わたしの気持ちを、代わりに言ってくれるから
涙が池のようにたまるくらい
ぼくの代わりに泣いてくれるから
うれしくて、気持ちがス〜ッとして
何度も「よんで〜」って
持ってきたのかな。
せな けいこ /さく•え 福音館書店
「早くねなさい」という
しつけの本じゃなくて
「まだまだ、ねたくないの」という
子どもの心をよく知っている
せな けいこさんだから
「おばけに会いたい」が私の口癖だった。
(中略)
おばけの世界に飛んで行くのは、あなたにとっては普通のことかもしれないけれど、大人になるとそれがなかなか難しい。でも私もおばけの世界に、行ってみたいのだ。
『ねないこ だれだ』の本では、夜中まで遊んでいた女の子が、おばけになって、おばけの世界へ飛んで行く。
それなら わたしも ねないで まとう。
おばけの せかいへ とんでいこう。
ねないこは、わたし。
(『ねないこはわたし』文中より)

被災地の皆様の安全と
一日も早い復興を
お祈り申し上げます