今の子供が受診してくると「学校でコロナやインフルははやっていないか？」と聞くことにしている。周囲にその感染者がいれば、そこからの感染を疑う。その情報があれば、かなり病気はしぼれる。
ところが、最近、聞いても「よくわからない」と言われることが多くなった。学校の、同じクラスで、インフルの子供がいるのか、コロナの子供がいるのか、学校側が教えなくなったようだ。
「熱出て休んでいる子供はいるけど、何の病気かわからない。」
というようなことが多い。
コロナ前はすぐに教えてもらい、こちらが診断するうえで非常に役立つ情報であるが、学校などが隠すようになり、こちらの診断率はかなり下がってきた。病気をしぼることができず、見逃しが増えてしまう。病気を見逃せば、その子が学校でその病気を広めることになってしまうのだが。
感染予防よりも、個人の情報のほうが大切だと考えているようだ。誰が何の病気でかかったかを知りたいわけではない。今の学校で、またはそのクラスで、インフルやコロナの子供がいるかどうかを知りたいだけである。
うちは東京なので、田舎の地域と違い、コロナとわかったらイジメられるというようなことはもはやないだろう。それにもかかわらず、その情報をオープンにしないということは、感染が広がっていく土壌にしかならない。