では前回の「ケーキ屋さんの豆知識」の続きを書きます。
本日はケーキ屋さんが普段使っている材料についてお話ししたいと思います。
と言いますのも、お客様から
「自宅で作るとどうしても上手くできないんです、もしかして材料が違うのでしょうか?」
「ケーキ屋さんは市販されていない材料を使っているのですか?」
とのお尋ねがある時がありました。
答えはイエスのようなノーなような・・と言ったところです。
まず材料についてですが、一般の方が絶対に手に入らない材料というのは使用しておりません。
ただ同じ小麦粉でも市販されているものとは違う性質を持った、「製菓用」というものは使用しています。
当店で使用しているチョコレートを挙げても製菓用といいますか、グレードの高いものに区分けされます。
市販の板チョコとは規格が違うので当然ですが、味わい・口どけ等が全く異なります、その分お値段も全く異なります。
なかなかすぐには手に入らないというか、まあ送料込みで買うととても高くなる(一袋¥6000以上します)
フランスヴァローナのチョコレートをひと粒¥70でカフェで召し上がって頂けるようにしておりますが、これが大変好評です。
美味しかったら、手ごろで買いやすい3個入りを買って行かれますし、隣のパティスリーソルシエールではもう少し容量が多くして缶に入れて売っております。
勿論、隣ではケーキ作りに使用しております。
以前、隣のパティスリーではお菓子教室を行っていたのですが、そこでの生徒さんの自宅で作る際の大抵のうまくいかない理由は、どちらかというと材料よりも作業の仕方に原因がある感じがしました。
その他に焼く工程が入るものであればオーブンの性能の違いだったりと、一概には言えないのですが色々と原因が重なって、お店のケーキと同じようにはいかないようです。
ただ当時のお菓子教室を行っていた二代目シェフは、自宅でケーキを作ることに対する生徒さんの真剣さにいつも驚いていました。
自分なら家庭用の設備で作ろうとは思わないと言っていました。
それくらい作るものによっては、難しいようです。
開店した当初、当店の裏のマンションのお客様から「おたくが出来る前まではうちの子は私が作ったケーキを食べてくれてたけど、今は全く食べてくれなくなったから買いに来たわ」
と言われたときは何とも言えない気分になりました・・。
ただご自宅で作るケーキにも良さは、もちろんありますね。
家庭料理と専門店の料理の違いのようなところでしょうか。
お菓子を使うシーン・用途によって使いわけると良いのかもしれませんね。
そして一番よく聞かれる「ホールケーキの切り方のコツ」ですが
去年のクリスマス前に西日本新聞の方が取材に来られまして、新聞に載せて頂いたばかりです。
このブログにも動画で載せておりますが、今一度説明をします。
知ってしまえば簡単に、綺麗に切ることができます。
「このケーキはどうやったらこんなに綺麗に切れるのですか?」
「熟練した職人さんじゃないと切れないのですか?自宅で切るとひどいことになるのですが・・」
この質問はとても多かったです。
恐らく、一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
いざ包丁で切ろうとすると、ケーキが柔らかいので切れる前につぶれてしまう、皆様大抵はこのような感じだと思います。
結論からお伝えすると、
・包丁を熱湯などでしっかりと温めて
・下に向かって「切ろう」とせず、包丁を「前後によく動かす」
・一度切り終わる度に包丁をダスターで拭ききれいにする
ことで簡単にきれいに切ることができます。
まず包丁を温めることによって、切っていく際にクリームが包丁に付きにくくなります。
そしてケーキは基本的に柔らかいものなので、切ろうとせずとも刃をよく動かすだけで簡単に切れます。
包丁を切り終わる度にきれいにするのもポイントです。
そのままだと包丁についているクリームが次切るところに付いてしまいます。
また当店の人気にオペラのように表面がチョコレートで固まっているケーキを切る際も同じで、包丁の刃をしっかり温めてあげることで、最初の表面のチョコレートが溶けます。
そしたらあとは刃をよく動かしながら切れば綺麗に切れます。
以上です。
切る動画は、こちらにあります。
これが何か皆様のお役に立ちましたら嬉しい限りです。
それではカフェでお待ちしております。
ソルシエールカフェ