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竜田通

竜田通1丁目

木版画同好会「ばれんの会」

南部一郎

 

 旧名は市場町といわれており、かつては市場が開かれたことがあった。本陣や問屋場があった、いわば守口宿の心臓部といえるところだった。

 

 私の仕事場のあるところは竜田通に面しています。竜田通はその昔、東海道5 7次の守口宿の中心地だったので、かつては現在日通の建物があるところに本陣があり、他にも難宗寺と通りを挟んで問屋場、八島の交差点のところに高札場などがあったそうです。今、往時を偲ばせるものといえば、大塩平八郎にゆかりのある白井邸や難宗寺の脇にある石の道標くらいのものですが、私の仕事場に面したところだけ竜田通の中でも道幅が広くなっているのも、別に道路を広げたためではなく、宿場の中心で馬をつないだり荷物の上げ下ろしをする必要があった名残りでその昔から今と同じくらいの道幅があったそうです。そんな由緒のある場所に馬の代わりに、私は車を置いたりしています。

森脇義嗣

(祝町)

転載:守口市民憲章制定25周年記念木版画集『守口百景』
作成:守口市木版画同好会ばれんの会1998年
テキスト入力:元市民憲章副会長 はまがみ