火曜日の話しです。
朝、桜を見ようと田宿川に寄りました。
そろそろ行こうかとする頃、おばあさんが、入り口のほうから桜を撮ろうとスマホをこちらに向けてました。
映り込んではいけない。と体を寄せてみたところ、スマホの動きが定まらない。
おかしいな、と思い声をかけてみました。
写真ですか?
ううん、動画なの。
毎日ここで撮ってるの。
動画ほうがわかりいいから。
今やおばあさんも動画を撮る時代か!と思うと同時に、同士だ!とテンションが上がりました。
お父さんがここの(田宿川の)委員会に入ってたの。去年亡くなっただけど。
この川好きだったから。
そうだったんですか。
そのあとの言葉に詰まらせていると、おばあさんは続けて言いました。
これも絶滅危惧種だからね。
え?この水草ですか?
そう、○○○○
(すみません、もう名前を忘れてしまった)
そうだったんだ!この草は絶滅危惧種なんだ!やっぱり貴重な川なんだ!と内心田宿川の偉大さに興奮してました。
思い掛けぬ方と田宿川トークに花が咲き、
僕もよく寄るのでまた会うかもしれませんね。
と挨拶すると、もう1人さっきからカメラを持って周辺を歩いていた女性の方が近くまで来ていました。
川を撮りにいらしたんですか?
と声をかけると、
ええ、桜も咲いているかと思って来てみました。
と、落ちている花びらを集めながら答えてくれました。
芸実的な写真を撮りそうな方だなと思いつつ、
富士の方ですか?と質問を続けました。
いいえ、県外から。
手にしている大きい望遠のカメラから、ただ者ではないオーラを感じていたので、東京の人か?と勝手に思いつつ、やっぱり田宿川は偉大だ!東京からも人を呼べるポテンシャルを持っている!と想像の範疇で興奮してました。
こんな川ないですよね。
と返してくれたので、
そうですよね!!水草がキレイですよね!
絶滅危惧種なんですよ!
と続けたかったけど、今仕入れた情報をさも知っていたかのように出すのはなんだなと思い、飲み込みました。
今日はなんて日だ!
田宿川を好きな人と2人も話しが出来たなんて!
僕はこれだけ、長い間毎日のように田宿川に寄っていても、ほとんど誰かと話すことはない。
仲良くなれた人も1人だけいるけど、めったに自分から話しかけたりしない。
だけど、今日はほぼ同時に2人も話しが出来た!
桜のおかげ、そして、ターくんの顔が浮かんだ。
いとこのターくんは誰とでも気さくに話し掛ける人だ。彼と一緒に過ごす時間が増えて影響を受けていると思った。
いつも立ち寄る場所でも、こんなに嬉しいことが起こるんだ。
そう、僕はこの川の恩恵を受けている。
店長が店長でいられるのは、この川のおかげだ。
春の田宿川が1番好きだ。