「ニノのことが好きなんだ。」






久しぶりに誘われた食事の席。

ゆっくり食べて飲んで話してた潤くんが

急に黙り込んだかと思ったら思わぬ爆弾を落としてきた。




「は、、あ。」




なんとも間抜けな声が出てしまった。

いや、だって。そりゃ俺だって驚くよ。

考えた事もなかったもん。


目の前の男は俺の自慢で尊敬するメンバーで

中学生の時からの友達でもあって

誰がどう見てもイケメンで優しくて

ちょっと不器用だけど、そこも含めてパーフェクト。

そんな男が俺を好き?




「ええと、確認だけど、その。特別な意味で、だよね?」

「当たり前だろ。じゃなきゃ、わざわざ言わねえよ。」




目力強め。いつも通り眉も凛々しい。って、そこじゃなくて。

まぁ、この人がこういう冗談を言わない事は分かってるし

今、ちょっと口調とか顔が怖めなのは緊張してるからだし

散々悩んで、その悩む内容はほとんどネガティブな想像で組み立てられてて

それでも想いを告げたって事は、これはもう大変なこと。

そこまで追いつめられてるってことなんでしょうね。


なんて、なに冷静に考えてるんだろ。

なんか俺、松本潤解説員にでもなれそうなくらい

今の状況が分かっちゃって、妙にそれが面白かったりする。




「やっぱ気持ち悪い?」

「え?俺が潤くんを気持ち悪いなんて思うの?ありえない。」




そうだよ、ありえないよ。

なのに、そういう風に思っちゃうんだろうね。

そんなことばっか悩んでたんだろうね。




「ふふふ。」

「なに、、笑ってんだよ。」




「ああ、ごめん。別に冗談だって思ってる訳でも

からかおうとしてる訳でも馬鹿にしてるわけでもないよ。」




そんなこと、するはずないじゃないの。

きっと潤くんの想像では気持ち悪いと拒否されるか

なかったことにされるか、冗談として流されるか。

そんなとこでしょ?




「俺ね、嬉しいの。」




するっと出てきた言葉に自分でちょっと驚いた。

でも声に出して納得した。そうだ、俺。なんか嬉しいわ。

だってそうじゃん。松本潤に告白されて嬉しくないやつなんていんの?


ふふ、潤くんってばすげぇ戸惑ってる。驚いてる。

ねえ、俺はね。潤くんの想像とおりになんていかないと思うよ。




「潤くんが俺を好きだなんて考えた事なかったけどさ。」

「うん。」




にっこり笑って、わざと上目遣いで潤くんの目を

じぃっと見つめると頬が淡く色づいた。

この顔させてるのが自分だと思うとさらに嬉しくなる。

腕を伸ばして潤くんの手に触れるとビクッとした。

あー、やばい。これは楽しい。




「ねぇ、潤くんどうしたい?

今んとこ、まったく脈なしってわけじゃないけど

特別な感情があるとは言いがたいよ、俺。

待つ?それとも、生殺し状態になる位ならここでやめとく?」




答えなんか分かってるのに、あえて聞いてみる。




「待つ。少しでも可能性あるなら。頑張ってみてもいい?」




いい?って。そこ聞いちゃうのね。


潤くんらしくてまた笑えちゃう。




「いいけど。結果は分かんないし、いつまで待たせるか分かんないよ?」

「いい。待つ。」




潤くんの目がギラリ光った。

ちょっとズルい言い方したって自覚はある。

潤くんがやめるなんて言う訳ないって分かってて言ったんだから。

それでいて、いつまでとも分からないのに待つ選択をさせた。

でもこれは。今の俺の精一杯の潤くんに対する誠意であり優しさなんだ。

なんて、それこそ卑怯な言い訳かな。


潤くんを手放したくない。

それでいて潤くんの真っすぐで純粋で熱い気持ちに応える自信もない。


だから、ごめん。

いつになるかは分からないけど待ってて。

俺の覚悟ができるまで。


俺が松本潤をフルなんて、それこそありえないんだからさ。












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おはなし KISSの温度「消毒編」の投票ですが


明日21時の締め切りまでに


総数25を超えなかったら本当に書かないので


すでに投票された方。そのあたりご了承くださいませ。m(_ _ )m


結果どうなったかは、募集を限定外してしましたので


同じ状態でご報告させていただきます。


書くことになれば限定なないようになると思いますが(ノープラン)


いや、場合によっては鍵部屋行きでしょうけども。




そんな感じでーす。(軽)