マズターズ 何がそんなに凄いのか? | Down the fairway

Down the fairway

ゴルフ屋の社長が書くブログ

「マスターズで優勝することが子供のころからの夢でした」

 

ということをこれまで何人のゴルフ少年が口にしたでしょうか?

 

そしてなぜ、彼らはマスターズに憧れるのでしょうか?

 

今日はマスターズと他の大会の違いを簡潔にお伝えしたいと思います。

1.創設者
生涯をアマチュアで通し、グランドスラムを達成したゴルフ界のスーパースター、ボビー・ジョーンズが創設したのが、オーガスタナショナルGCでありマスターズトーナメントです。
ボビーはウォルター・ヘーゲンら並みいるプロに打ち勝つだけの腕前もさることながら、それ以上に素晴らしい人格を備えたプレーヤーでした。彼が引退後「現役時代に競いあった仲間を招待してゴルフの同窓会を」ということで始まったのがマスターズであり、主旨は「オーガスタナショナル・インビテーショナル」(オーガスタ招待)でした。


2.主催者
全米オープンや日本オープンは国を代表するゴルフ協会が主催者ですが、マスターズはマスターズ委員会が主催者です。もう少し詳しく言うとオーガスタナショナルGCの会員を中心に構成される任意団体が、この大舞台の主催者なのです。


3.強い者を決めるためでなく
マスターズは強い者を決めるためのチャンピオンシップ(選手権試合)ではなく、飽くまでもインビテーショナル(招待試合)が主旨なので、マスターズ委員会からの招待状が届かない限り出場することが許されません。今大会で自分のプレーに腹を立てたキム・シウー選手がラウンド中にパターをへし折る事件が発生しましたが、このような敬意を欠く行動をした選手に、果たして次回の招待状が届くか大いに疑問です。


4.同窓会
マスターズはゴルフの同窓会として始まりましたので、家族同伴で練習ラウンドをしたり、パー3コンテストが行われたり、と和気藹々とした雰囲気作りが行われています。また、こうした主旨に沿うため、賞金は非公表とされています。


5.チャンピオンズディナー
歴代勝者が集うチャンピオンズディナーは、前年度の優勝者がメニューを組み立てることになっており、タイガー・ウッズがホストした年は、ハンバーガーが提供され「マスターズにジャンクフード!」の見出しが新聞を飾りました。


6.グリーンジャケット
グリーンジャケットはオーガスナショナルGCの会員の証。即ちユニフォームです。優勝者に1年間だけグリーンジャケットが貸与されるのは「1年間だけメンバーとして受け入れます」という意味が込められているから。優勝者にジャケットを贈呈するセレモニーは今では、ごく普通に見られるようになりましたが、本当の意味は「あなたをメンバーとして受
け入れます」という深い意味を表すためのものなのです。

このようにマスターズには唯一無二のストーリーが至るところに潜んでいるため、多くのプレーヤーを魅了して止まない訳です。
 

(追伸)

このブログの表題”DOWN THE FAIRWAY”は、ボビーが著した同名の書名からの引用です。