ダイキンオーキッドレディスが始まると「今年もゴルフシーズン到来」という思いに駆られます。
今年の冬は例年になく寒い日が多かったようですが、季節は確実に移ろっているようです。
そして4月になれば、ゴルフの祭典「マスターズ」が開催されます。
マスターズトーナメントは、生涯をアマチュアで通した球聖ロバート・タイヤ・ジョーンズ(通称ボビー・ジョーンズ)が、昔のゴルフ仲間を集めたゴルフ同窓会として企画された大会です。四大メジャー(全英OP・全米OP・全米プロ)の中で唯一、会場が固定されている大会としても異彩を放っています。
この大会が他の大会と違う点は他にもあります。
まず大会名にチャンピオンシップの名前が使われていないことがあげられます。これは大会コンセプトが、強い者を決めるための大会ではなく、ゴルフ同窓会だから。このことについて当初、ボビーは大会名を「オーガスタナショナル・インビテーショナル」にしたかったようですが、共同経営者の意見で「マスターズトーナメント」にした経緯があります。
また観客をギャラリーと呼ばずパトロンと呼ぶことや、賞金の話題が選手・関係者から語られることも、マスコミから報じられることも(滅多に)ないこともマスターズならではの特徴です。
ゴルフが上達するのはプレーヤーであれば誰でもうれしいことです。しかし、ゴルフの本当の愉しみは気の合う仲間とプレーする時間にあります。このことに関して、B・ジョーンズはこんな言葉を残しました。
人生の価値はどれほどの財産を得たかではない。
何人のゴルフ仲間を得たかである。
フェアウェイに出れば腕前も肩書も年齢も関係ありません(もちろん礼儀としては大切です)。それよりもいかに愉しい時間を過ごせたか、の方がすっと大切です。プレー中、自分の世界に没入するのではなく、同伴競技者も愉しい時間が過ごせるように配慮することが大切――。
ボビーはそう言いたかったのです。