このブログでは、百人一首好きの私が直訳、意訳を通して自分ならではのオリジナルストーリーを綴っていきます。

 

こんにちは。私は最近、K-POPにハマっているのですが語り合える友達が欲しいです。韓国語も勉強しているので、コロナが収まったら韓国旅行に行ってみたいですね!

 

 

さて今回は、

 

一五、君がため春の野に出でて若菜摘む

   わが衣手に雪は降りつつ

   きみがためはるののにいでてわかなつむ わがころもでにゆきはふりつつ

 

(画像は百人一首の意味と文法解説(15)君がため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪はふりつつ┃光孝天皇|百人一首で始める古文書講座【歌舞伎好きが変体仮名を解読する】(https://honda-n2.com/honkoku-ogura-hyakunin-isshu-15)より借用)

 

 

この歌を詠んだのは、おじいさんになってから天皇になった光孝天皇です。即位する前は、かなり質素に暮らしていたそうで不遇の時代を送ったと言われています。

 

 

直訳を出すために品詞分解していきます。興味のない方は飛ばしてください!

 

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君/が/ため/春/の/野/に/出で/て/若菜/摘む/わ/が/衣手/に/雪/は/降り/つつ

 

意味のわからなかったものなどを挙げていきます。

 

1、「若菜」

早春に生える食用の野草を指しています。具体的にはせり、なずな、つくしなどのことです。正月の七草に似ていますよね。

 

2、「衣手」

「秋の田の〜」でも紹介しましたが、「袖」のことです。

 

3、「つつ」

こちらも「秋の田の〜」で紹介しました。「つつ止め」という技法で「しきりに〜することだよ」と訳します。

 

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これを踏まえて直訳を出すと

 

「君のために春の野に出て若菜を摘む私の袖に、雪が降っていくことだよ。」

 

雪の降る寒い日にも、妻や子のために食料を摘みに行く光孝天皇の姿が浮かんできます。こうした不遇の時代だからこそ、家族を大切に暮らしていることも窺えます。今も七草を摘むお正月があると思います。今も昔も変わらない季節の景色が存在していることに、なんだか嬉しくなりますね!

 

 

意訳は飛ばします。

 

 

 

〈オリジナルストーリー〉

 

お爺さんになってからやっとの思いで、天皇になることができた光孝天皇。七草粥の時期になり、過去の思い出が蘇った。それは、まだ光孝天皇が天皇になる前のお話。粗末な家で暮らしていた光孝天皇一家。暮らしはかなり質素で、食料調達も自分たちで行っていった。ある正月のこと、七草粥を食べる為に光孝天皇は雪の降るなか七草を摘みに行った。家に帰ると、帰りを待っていた大切な家族の姿があった。そして、一家団欒で食卓を囲んだのだった。不遇時代は長かったが、その分光孝天皇は家族という大切な存在に感謝し大切にして生きてきたのだ。

「今もあの頃もなんら心は変わらないが、身分など目に見えるものはすっかり変わってしまった。」と少し寂しく思う光孝天皇。ゆっくりしている家族に声をかけ、みんなで七草を摘み七草粥を食べたのだった。あの頃と同じように。

 

不遇時代に詠まれたとされているようですが、天皇となったからこそその頃の時代を懐かしんで詠んでいると感じました。天皇になってもその前も変わらない光孝天皇の心が現れていると考えて、ストーリーを書きました。今も昔も変わらない正月の姿があると考えて、光孝天皇も再び七草粥を家族で食べたのではないかと推測しました。いつに詠まれた歌でも、家族を大切に思う光孝天皇の優しさが伺える素敵な歌ですね。

 

 

今日はここまでです。ありがとうございました。

他の解釈があるなどありましたら、ぜひコメント欄で教えてください!

 

 

 

 

(参考サイト、文献)

百人一首(15)君がため春の野に出でて若菜摘む 品詞分解と訳

https://nbataro.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

 

 

吉原幸子・中田由見子(1986-2004)『マンガ百人一首』平凡社.