消費増税で大家はいったいどうなる? | 長嶋 修(不動産コンサルタント)オフィシャルブログ「ズレズレなるままに」
2011年03月06日(日) 20時59分39秒

消費増税で大家はいったいどうなる?

テーマ:ブログ
全国賃貸住宅新聞の榎本ゆかりさんが、このようなブログを書いていらっしゃいます。

※怖い家賃の非課税堅持


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はしょってカンタンに解説するとこういうことです。

多くの大家さん(非課税事業者)は「自分は消費税を負担していない」と思っています。ところが実際には、大家さんは消費税を負担しているのです(賃料の50パーセント相当)。例えば8万円の賃料の場合、2000円分を国に納めています。

賃借人は消費税を払っていないのに、なぜか大家さんは家賃から消費税を納税。このことに自覚のない大家さんも多いようです。私の周辺はご存じの方が多いのですが、みなさんはいかがでしょうか?

だから、消費税増税があれば、大家の負担が増えます。

例えば現在5パーセントの消費税が10パーセントになれば、これまで毎月2000円の負担だったものが4000円になるということ。全10戸、家賃8万の大家さんの場合、これまで負担してきた税額は年間24万ですが、これが48万円と倍増するわけです。

だから「家賃に消費税をかけることには反対だ!」と主張し、たとえそれがかなった場合でも、消費増税があれば負担はさらに増えてしまうのですよ、ということなのです。

※このことは消費税の、ワリと根源的な課題だったりします(ウィキペディア)

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消費税は1989年に導入され、この時には家賃にも消費税が課せられていました。その後1991年に改正があり、家賃は非課税化されて現在に至るのですが、この時にもう少し議論を尽くしておくべきだったのでしょう。「賃貸人は消費税を負担しなくて済むが、大家は50パーセントの消費税を負担することになる問題をどうするか」ということについてです「現行とは別途の枠組みを考える」「ゼロ税率にする」「現制度を周知する」など。

「ゼロ税率」では、仕入れにかかる税が還付されます。そこが単なる非課税との違い。例えば、社団法人全国賃貸住宅経営協会は「家賃の消費税復活は絶対反対!」との運動をしていますが、これに加えて「現在負担している50パーセント相当の消費税は不当だ!」とでも主張すれば良いのです。このままでは、増税があればまた損をしてしまいます。

※社団法人全国賃貸住宅経営協会


しかしです。他の国はどうなっているのか?主要先進国では、家賃は非課税が基本です。ですがゼロ税率は採用していません。

※諸外国の付加価値税(2008年版国立国会図書館調査及び立法考査局)PDF


つまり、家賃に消費税をかける件については、他国の状況をタテにとって反論できる。これは強いです。しかし、ゼロ税率を適用し、現行50パーセントの税を還付してもらうのは相当ハードルが高い(というかおそらく厳しい)。ということです。

ゆえに、増税になれば基本的に手取りが減るだけで、大家さんは厳しいのです。みなし仕入率を変更してもらう(納税率を下げてもらう)というところが落とし所になるのではないでしょうか。賃貸住宅建設時の消費税還付はイギリスなどの例もあり、芽があると思います。

それから、消費税だけで議論するよりは、賃貸住宅をめぐる政策全般について考えたほうが良いかもしれません。例えば「賃借人への家賃補助」がマトモに存在しないのは日本くらいなもの。これが成立すれば大家さんはラクになります。どちらかというとこっちのほうが不当です。

※日本の住宅政策は【ふつう】じゃない

※賃貸市場の地殻変動が起きている

※民主党マニフェスト 不動産・住宅政策は10点以下

※賃貸住宅経営に大事なこと

※賃貸住宅市場に関する政策提言(PDF)




さて。



この件について、またいわゆる「自販機を設置して節税」について、Twitter上で行われた各者の発言ややりとりを貼りつけます。


@enomotoyukari(賃貸住宅新聞の榎本さん)
おはようございます。雑誌「家主と地主」を最終校了して時間に余裕ができたので、やっとブログ更新です。今回は以前ツイッターでつぶやいた「怖い家賃の非課税堅持」についてです。大家さんはぜひ読んでみてください ⇒ 「怖い家賃の非課税堅持」
@urataken(浦田建さん)
消費税還付が美しいとか、美しくないとか、感情論で批判していた人はこの事全くわかって無いんだろうな。
@nagashimaosamu(長嶋)
「財産家の暴走」の世論は行き過ぎ。が、法に不備あっても、納税分乗せた家賃受領が当然との当局見解ある以上、落合氏の様に根本解決を目指すべき話ではないでしょうか
@nagashimaosamu(長嶋)
運用に不備あるなら行政訴訟も良し、政治に訴えるも良し。「自販機設置で消費税還付」はスジ違いだったというのが私の意見です。本件に限らず、法的不備や実務上齟齬が業界には沢山ありますね⇒ 「自販機設置で消費税還付」
@nagashimaosamu(長嶋)
法も慣行も、社会のあらゆるシステム・構造の軋みが、もう表面張力いっぱいまで来ている感じです。これまでのように政治だけ、官僚だけにお任せするのではなく、私たち国民一人ひとりが私達自身の社会をあり方を考え、行動をしなければなりませんね。


みなさまもよく考えてみてください。


※国税庁HP No.6225 地代、家賃や権利金、敷金など

※国税庁HP No.6509 簡易課税制度の事業区分



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