多くの人の死を縁として
これまで生きてきました。
最初に
ある方の葬儀を通して
出会ったご縁。
その後
葬儀の依頼を
弊社にされて来られ
気が付くと
7回もの葬儀のご依頼…
時代は変わり
葬儀は
自宅や寺院で
行われていたものが
葬儀会館に変わる中でも
一貫して
「うちの葬儀はお宅に」という
義理堅く
弊社との縁を
大切してもらったこと
本当に感謝に堪えません。
その最初の縁から
出会った方が
天寿を全うされました。
お母様の葬儀を行う際に
「これでワシの務めは果たした」
と言われたこと
今も耳に焼き付いています。
そのとき
息子さんであるその方は
闘病中であり
余命宣告を
受けておられたのです。
「ひょっとしてワシが先に
逝くのでは…」
そう思いながらも
懸命に生きること
そして
お母さんの最期を
看取るという
強い気持ちで
頑張って来られました。
通夜や葬儀では
体調が思わしくないのに
懸命に
人に迷惑を掛けないように
歯を食いしばり
喪主と言う大役を立派に
務められました。
通夜と葬儀を通し
故人となったその方に
私は自然と目が行き
僧侶による読経や
法話から始まり
最期のお別れ
そして荼毘に附される
母親の姿に
何を思い
何を感じておられるのか
思いを馳せたものです。
しかし、皆さんの前では
気丈に振る舞われる姿に
「この人は本当に凄い。
もし、自分が同じ境遇だったら
あのような振る舞いが
できるだろうか」
そう思ったものです。
人は
この世に生まれて来る理由に
多くの使命感を持ち
生まれて来るのだと思います。
ひとり一人の人間が
この世に必要な存在として
生を受け
そのなかで
多くの縁を通し
多くの人に必要とされる。
それが人間の持つ尊厳であり
境涯だと思うのです。
何気ない仕草や
振る舞いの中で
人に何かしらの影響を与え
そのことがその後の人生に
自然と生かされる。
そしてそれらのことを
語り継ぎ、次の世代に
受け継がれていく。
この世に人間が存在する
意義と歴史に思います。
これからも
多くの人の死を縁を通して
この世に大切なことを
受け止める人生を
歩みたいものです。
最後に
本当に頑張って行きぬいた
Yさんのご冥福をお祈りいたします。
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