「この痛みは、温めるのと冷やすのとどっちが良いの?」と患者さんに聞かれることがあります。

 

①「ハッキリした原因(転んだ・ひねった・ぶつけた)があって、痛めてから3日以内(急性期)の痛み」には、冷やすのが良いとされています。


その時にすべき処置を、RICEライスといます。


RICEとは、R(rest安静)・I(ice冷却)・C(compression圧迫)・E(elevation挙上)を並べたものです。


②「ハッキリした原因がなく、ずっと痛いもの」は、温めるのが基本です。

 

ケガや痛みからの回復には血液の流れがとても大事です。


その観点からは①も②も温めるべきで、実際そのように対処する治療家もごく僅かにいるようです。

しかし、急性期に温めて血液の流れを増やすと、止血のために収縮していた血管が拡張されて、(内)出血がなかなか止まらなくなったり、浮腫(ふしゅ:腫れ)がひどくなってしまったりする危険性があります。

 

また、痛みのコントロールという観点もあります。実は、温めても冷やしても痛み自体は感じにくくなります。


ただ、急性期に温めるのは先ほども申し上げた観点から、勧められません。ズキズキした痛みが悪化してしまうことがあります。

 

「痛み」とは厄介なもので、痛いから動かず安静にして損傷が広がるのを防ぐ役割もあって非常に重要なものですが、痛みが長引いたりすると交感神経(こうかんしんけい)が過剰に優位になって患部に血液が流れなくなり、そのせいで更に痛みが増強したり、いつまでも治らないという事態に陥ることもあります。

 

冷やし方も様々注意事項があって、ここで一口にお話しすることは出来ませんが、ケガをしてすぐはビニール袋やアイスバッグに入れた氷で15分くらい冷やすのがお勧めです。


それを1~2時間に1回ずつ繰り返すのが理想です。(なかなか難しいとは思いますが。)

 

ケガから3日目以降は、温めるようにします。


いつまでも冷やすのは、ケガからの回復を妨げます。


なお、ケガをしたら固定もした方が良いのですが、捻挫や肉ばなれの固定を外す目安は、黒っぽかった内出血が黄色く変化し始めた頃だと思って良いでしょう。

 

②のケースは、原因不明の痛みや、いわゆるコリの状態だと思われます。


温める方法も様々ありますが、カイロを貼るなど、長時間温め続けるのは勧めません。


低温やけどの危険性があるからです。


蒸しタオルなどを当て、上からラップでくるみ、更にタオルや毛布などを巻いて保温するのが良いです。


時間が来れば冷えて、やけどしないというのが大事です。


ただ、冷えてしまったものを当て続けるのも逆効果なので注意して下さい。


医院・接骨院内で、プロの管理の元で行われるのがベストなのは言うまでもありません。

 

以上、痛みに対して「冷やすべきか」「温めるべきか」をごくごく簡単に書きました。


本当はどちらも注意事項や禁忌疾患もあります。


私たちも、患者さんの状態に合わせてケースバイケースで判断することがあります。


全てを書くことは出来ませんので、お医者さんや私たちに相談してくださるのが一番です。

 

ここに書かれている通りに行ったことで発生した事故・ケガ・障害に対して責任を負うことは出来ません。


自己責任にての行動をお願い致します。